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田舎暮らしの本 2月号

1月4日(火)
850円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

大阪の村の古民家で始まる最先端。カフェレストラン&ヘアサロン+α【大阪府千早赤阪村】

掲載:2021年12月号

大阪市内でカレー店を営んでいた夫妻は、海外を旅する計画をコロナ禍で変更して、美容師の仲間とともに大阪市内から車で1時間ほどの小さな村へ。森の中の広い古民家を見つけて、自由な発想でカフェレストラン&ヘアサロン+αの複合施設を立ち上げた

田舎カフェ

2021年3月に移住した養安さん夫妻(右)と井上さん(左)は、カフェレストラン、ヘアサロン、ギャラリーの複合店舗「BUM」を立ち上げた。縁側やテラス席でもくつろげる。

 

広い敷地での楽しみは飲食だけにとどまらない

 大阪府南部の住宅地を抜け、細い山道を奥へ入った森の中。木漏れ日が心地よい広い敷地に、映画『鬼ガール!!』のロケ地としても使われた築約130年の古民家が現れる。

 「建物も庭も広く、いろんな可能性が感じられました」

 そう話す養安明朗さん(30歳)・美緒さん(30歳)夫妻は、以前、大阪市内の飲食店を間借りしてカレー屋を営んでいた。当初はそこを2年で閉じ、海外をめぐって知見を広めたのち、自分たちの店を持とうと考えていた。ところがコロナ禍で計画が頓挫。それなら田舎で店を出そうと、大阪市内の人気ヘアサロンで働く仲間の井上拓耶さん(32歳)に声をかけたところ、「面白い店ができそう」と意見が一致。大阪市内から車で1時間圏内の候補地を探し、今の物件を借りられることになった。

 電気・ガス・水道工事以外は、自分たちの手でカフェレストラン&ヘアサロンへと改修。

 「いかにも古民家カフェというふうにならないよう意識しました。よくある店にしたくなかったし、手を入れるからこそ古民家の味が活きる部分もあるので」

 と、明朗さん。改修は5カ月におよび、3人の生活費を含めて1000万円超と想定以上に出費はかさんだが、今年9月に「BUM」を開業した。

田舎カフェ

カフェレストランのスペースは、太い梁を見せながらモダンな空間へと一新した。

田舎カフェ

「田舎の古民家カフェと思って来た人のイメージを、いい意味で裏切るスタイリッシュな店にしました」と、養安さん夫妻。

田舎カフェ

「今日のカレー(1200円)」は、酒かすとスパイスで漬けた卵(200円)などの追加トッピングも。

 

 カフェレストランの特徴について明朗さんはこう話す。

 「できるだけ村内や近隣地域の野菜を仕入れています。営業は朝9時から夕方4時まで。好きなように利用いただけるよう、時間帯でメニューは変えていません。例えば朝からガパオライスを食べてもいいし、前菜やメイン料理を定食やコース仕立てに組み合わせてもOKです」

 ヘアサロンを併設することで相乗効果が生まれ、プラスαの魅力づくりとして空きスペースにギャラリーも設けている。

 「お客さまは20代から50代のカップルや子育てファミリーなど幅広いです。大阪市などの村外からが多いですね。町内会に入って交流しているので、最近は地元の方の利用も増えてきました」

 と、手応えを語る養安さん夫妻。目指す理想は、旅で訪れた1つのまちのように、あらゆる満足が得られる場所に広げていくこと。ゆくゆくはコーヒースタンドを開き、未使用の2階をライブラリーや民泊施設として改修することも検討している。

田舎カフェ

母屋の傍らにハンモックコーナーを設置。毎朝のミーティングはここで行うことも。

田舎カフェ

カフェとギャラリーの間は、店内に設けられたアーチ型の出入り口を通じて接続。

田舎カフェ

空きスペースを利用して、絵画から衣類までアーティストの作品を展示するギャラリーを設置。今後は期間限定店舗の出店なども検討していく。

ヘアサロン

井上さんは離れをヘアサロンに改修。各メニューとも5000円で、臨機応変に対応できるよう予約は1日2組のみ。

 

オーナー養安さんから田舎カフェ開業へのアドバイス!

「“田舎”の概念にとらわれないこと!」
最近は皆さんが情報をSNSでチェックしていて、いいなと思えば遠くからでも来てくださるということを実感しています。私たちの場合、“田舎だからこうあるべき”という固定観念は捨てて、ここでどう過ごしてほしいかを考えながら、自分たちの好みや感性で店
づくりをしました。中途半端な妥協は、かえってよくないと思います。

BUM(バム)
☎080-1335-5305
住所/大阪府南河内郡千早赤阪村小吹293
営業時間/9:00~16:00(LO)
定休日/不定休
https://bumosaka.com
Instagram/@bum_jp

 

千早赤阪村

大阪府千早赤阪村
大阪府南東部に位置する府内唯一の村が、人口5000人余りの千早赤阪村。府内最高点の金剛山(標高1125m)を仰ぐ中山間地域で、日本の棚田百選「下赤阪の棚田」をはじめ美しい農村風景が広がる。大阪市内から車で約1時間。

千早赤阪村移住支援情報
空き家探しから改修まで
住宅関連の多彩な補助を用意

千早赤阪村では「空き家情報バンク」専用の窓口((一社)ちはやあかさかくらす ☎︎070-4102-3853)を設置。また、最大10万円の移住者向け空き家改修補助、100万円の若年夫婦・子育て世帯向け新築マイホーム取得費用補助に加えて、耐震診断費補助、耐震改修設計・改修費補助など、住宅関連の幅広い支援を行っている。

まちづくり推進課 ☎︎0721-72-0081
http://www.vill.chihayaakasaka.osaka.jp/kakuka/
machi/sumai/index.html

金剛山

大阪府内最高点の金剛山。グリーンシーズンだけでなく冬山も美しい。

楠木正成

千早赤阪村は南北朝時代の武将、楠木正成の生誕地としても知られる。

 

文・写真/笹木博幸

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