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田舎暮らしの本 6月号

4月30日(土)
850円(税込)

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菜花&シュンギク/自然菜園で育てるキッチンガーデン【第23回】

掲載:2022年2月号

春いちばんに摘み取って、ほろ苦い滋養を味わう

菜花は、蕾や花茎、若葉の部分を食べるアブラナ科の野菜です。 ほろ苦い味わいに春の訪れを感じます。 市販の菜花は専用の品種ですが、家庭菜園ではハクサイや タアサイなどアブラナ科の野菜の蕾も食べられます。 野菜によって異なる風味を楽しんでみてください。相性のよいシュンギクはコンパニオンプランツとして虫を避けるのに役立ちます。

のらぼう菜は育てやすくおいしい菜花のひとつ。東京の西多摩地方周辺で多く栽培され、天明と天保の大飢饉での救荒作物として伝わった。

アブラナ科の葉菜のとう立ちした蕾を欠き取る

 菜花は元来、アブラナ科が咲かせる鮮やかな黄色の小さい花の総称です。日本には奈良時代以前に伝わって食用とされ、江戸時代には種子から灯火用のナタネ油をとるための栽培も一般化しました。

 寒さに強く、茎葉が凍結しても枯れません。寒冷地を除いて露地で越冬し、春先に花芽を収穫できます。暖かい日だまりを選べば早くから大きく育ちます。ただし開花後は寒さに弱くなり、越冬できません。

 紙で巻かれた束の姿で店頭に並ぶ菜花は、チリメンハクサイを改良したといわれる品種です。各地に在来種も多く、さまざまな菜花が見られます。また家庭菜園では、収穫できずにとう立ちしたチンゲンサイやタアサイ、生育が遅れて結球しないまま春にとう立ちするハクサイなどの蕾も、菜花としておいしく食べられます。

 菜花は育てやすい野菜ですが、シュンギクやニンジンなど虫を避けてくれる野菜と混植すると、さらに育てやすくなります。

品種選びのアドバイス

和種はほろ苦く西洋種は苦味が少ない 年内穫りできる中国野菜も

 古く奈良時代に導入された和種菜花は、ほろ苦さが特徴。明治以降に導入された西洋種菜花は比較的苦味が少ないです。菜花の多くは冬の寒さに当たって春に花芽を付けます。中国野菜の菜花 には、紅菜苔(こうさいたい)、菜心(さいしん)、オータムポエムなど 、寒さに当たらなくても花を付けるものもあり 、耐寒性は劣るものの年内穫りができ、寒冷地での春蒔きにも向きます。

のらぼう菜(冒頭の写真参照)

 西洋菜種で苦味が少なく食べやすいです。 寒冷地では春蒔きも可。ほかのアブラナ科と異なる三倍体で交雑しにくく、自家採種にも向きます。

紅菜苔

 寒さに当たらずに花芽が付き、年内穫りもできます。茎やとうは赤紫色ですが、 調理で熱を加えると濃い緑色になります。

ぬめりがあり、その食感からワラビ菜とも呼ばれる。

タアサイ

 中国非結球ハクサイ。カロテンを多く含み、 -10°Cの低温にも耐えられます。わき芽からたくさんの菜花を長期間にわたって出し、おいしいです。

低温でも生長するため遅蒔きして虫害が避けられ、育てやすい。

愛知白菜

 適期に種蒔きすれば1~2kgの結球ハク サイになりますが、10日から2週間遅蒔きすると結球せずに越冬し、春にとう立ちして菜花が楽しめます。

結球せずに春に出る菜花は太くやわらかく、クセがなくおいしい。

菜花の主なコンパニオンプランツ

虫害を受けやすいアブラナ科には、キク科やセリ科の混植が効果的

シュンギク

効果

キク科で虫がつきにくく、アブラナ科の虫を避ける。

栽培のポイント  

5mm間隔で密撒きに。種の2倍の厚さに薄く覆土し、しっかりと鎮圧した後、たっぷり水やりして発芽を促す。

収穫のポイント

中葉シュンギクは背丈が15cm以上に育ったら、わき芽を残して摘み取る。その後もわき芽を順次摘んで長期収穫できる。株立ち型の大葉シュンギクは葉がやわらかいうちに間引きしながら株穫りする。

香りで虫を忌避するため、虫害を受けやすいアブラナ科との混植に向く。

レタス

効果

キク科で虫がつきにくく、アブラナ科の虫を避ける。

栽培のポイント

種蒔きでは、種の2倍の厚さに薄く覆土し、しっか りと鎮圧して発芽を促す。ベビーリーフの時期 から間引き、収穫しながら育てる。育苗し、本 葉3~4枚で定植すると大きなレタスになる。

収穫のポイント

リーフレタスやサンチェは外葉 から欠き取って長期間収穫できる。玉レタスは 上から軽く押して玉が詰まってきたら株穫りする。穫り遅れると玉が傷み味も落ちる。

赤色には虫が寄りにくいため、赤葉のリーフレタスは混植に向く。

ニンジン

効果

セリ科で虫がつきにくく、アブラナ科の虫を避ける。

栽培のポイント

5mm間隔で密蒔きに。種の2倍の厚さに薄く覆土 し、しっかりと鎮圧して発芽を促す。本葉2枚から徐々に間引いて ニンジンを太らせる。

収穫のポイント

指で株元の土を除いて確認し、10円玉の太さまで育っているものから順次収穫する。

本葉2枚に育つまで密植させ、その後間引いて根を太らせる。

カラシナ

効果

虫を避ける。葉の赤いタイプのカラシナは忌避効果が高い。

栽培のポイント

虫避けには、菜花の種を蒔いた 上から、菜花の種の5%ほどの分量のカラシナを 追加蒔きして混植すると効果的。カラシナ単独では2cm間隔で種蒔きする。

収穫のポイント

ベビーリーフはサラダ感覚で 生食できる。大きくなったものは塩もみや漬物で食べる。

赤葉で混植向きのリアスカラシナ。サラダに加えて彩りに。

 

菜花&コンパニオンプランツの配置列

コンパニオンプランツは先蒔き& 追加蒔きして時間差で育てる

 畝の両わきにニンジン、 シュンギク、レタスをそれぞれの適期に育てておき、畝の中央に菜花を種蒔きする。菜花には同時にカラシナとレタス をそれぞれ分量の5%ず つ追加蒔きし、このカラシナとレタスはベビーリーフで収穫する。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)など。2018~19年の本誌連載をまとめた新刊『自然菜園で育てる健康野菜』(宝島社)が好評発売中。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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