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田舎暮らしの本 6月号

4月30日(土)
850円(税込)

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眞島秀和さんインタビュー「地方の物件を見るのが好きなんですけど、家も山も、買うならどう維持するか?ですよね」

掲載:2022年3月号

切れ長の瞳が醸す大人の男の色気、生真面目なたたずまいから繰り出される思わぬコミカルさ、当たり前の日常を生きるごく普通のサラリーマンの姿……。大河ドラマ『麒麟がくる』からドラマ『おっさんずラブ』まで、確かな演技力で作品の質を底上げする俳優の眞島秀和さんの主演ドラマ『#居酒屋新幹線』が放送中です。気になるその内容、そして俳優としての現在の心境を聞きました。

眞島秀和

ましま・ひでかず●1976年11月13日生まれ、山形県出身。99年に李相日監督の『青~chong』でデビュー。最近の主な出演作は、ドラマ『サウナーマン~汗か涙かわからない~』『麒麟がくる』『にじいろカルテ』、映画『夏への扉―キミのいる未来へ―』 『大怪獣のあとしまつ(公開中)』 。待機中の作品はNetflix『金魚妻』、映画『ある男』。『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)ではナレーションを務めている。

 

役柄同様、旅するように撮影

 「居酒屋? 新幹線? なんのこと!?って(笑)。日帰り出張したサラリーマンが仕事帰りにその土地の酒のあてと地酒を買い、新幹線でひとり楽しむ。それだけ聞くと、地味な話?と思ったんだけど、台本を読むといろんなところに行けるし、撮影が楽しみになって」

 眞島秀和さんがドラマ『#居酒屋新幹線』の主演オファーを振り返る。演じるのは仕事で全国を飛び回る高宮 進(たかみや すすむ)。その密かな楽しみは、帰路の新幹線を居酒屋に仕立てること。お箸や調味料の入ったマイカトラリーを持参、SNS仲間を話し相手に、実在する名産品や地酒を食す。

 「僕自身この影響で、せっかくだから何かみつくろって買って帰ろうかな?と思うようになりました。最近は駅のお土産屋さんでも地方のお酒が種類豊富だったりして、楽しいですよ」

 舞台は東北新幹線。山形県米沢市出身の眞島さんにとって、そもそもなじみ深い地だった。

 「仙台の先にある古川は母方の地元で。子どものころは夏休みに行ったり、冬場は祖父母が鳴子温泉に1カ月以上滞在したので、両親と遊びに行くのが恒例でした。もちろん当時は子どもで、地酒を探したりはしてません(笑)。それで今回は懐かしさもありつつ、大崎耕土(おおさきこうど)という世界農業遺産があることを知ったりして新鮮でした。そこでは凍みっぱなし丼という一見、かつ丼だけど具材が凍み豆腐というB級グルメが登場します。こんなのあるんだ、と驚いて」

 青森のロケ先で「じょっぱり」のカップ酒を買い、瓶のデザインがかわいいなと思ったり。次のロケ地には何がある?と、自身も検索しながら移動した。

 「僕はサウナが好きで、いまや東北方面ではあそこと、心の中に順位がメモしてあります(笑)。今回に限らず、地方ロケでは必ずサウナを探します。でもファミリータイプや地元の方の情報交換の場のようなところは、ちょっと落ち着かなくて。働く男が明日帰るだけだからとカプセルに泊まる、そこにくっついたようなサウナが好き。おじさんばかりがひとりで黙々と入っていて、あぁ、みんな仕事をしてるんだなあって。たまらなく居心地がいい」

 ゲスト以外、出演者は基本ひとり。オフもひとりで街歩きをするなど、役柄同様、旅するように撮影期間を過ごした。

 「登場する食べ物、飲み物が主役。事件も起きず、ほどよくゆるい。日常のささやかな楽しみにしていただけるとうれしいです」

眞島秀和

このドラマで米沢を舞台にした回をつくるなら?と尋ねると、「いっぱいあり過ぎて……。お酒も蕎麦もラーメンもおいしい。ちなみに米沢のラーメンは、さっぱりした中華そば系のしょうゆ味です」と眞島さん。

 

舞台への出演は定期的な修業のよう

 「へ〜、鶴岡も出てますね」

 本誌を手に取った眞島さん。もしや、田舎暮らしに興味が?

 「あります、あります。いつか地元に帰りたいな〜と。仕事で東京に来て生活は地元、ってすごい贅沢ですよね。ちょくちょく帰省はしていて、物件も見に行ったことがあります。でも冬に見に行かないと厳しさはわからないかもしれません、米沢は」

 実家にはこぢんまりした畑があり、犬を飼っているそう。

「本格的でなくても、畑もちょっとやってみたい。じつは地方の物件を見るのが好きなんですけど、家も山も、買うならどう維持するか?ですよね。簡単に手を出しちゃいけないなと。それで地元以外で興味があるのは……パッと浮かんだのは山梨県の北杜市とか小淵沢。大河ドラマの乗馬の稽古やロケで訪れ、空気が澄んでいて星がキレイで」

 移住については、まだぼんやりと考えるくらい。45歳で、老後について真剣に考えるには早い。

  「働き盛りとはよく言ったもんだと思いますよね、40代ってまだまだ元気だし」と眞島さん。30代後半から、それまで縁の薄かった舞台にも意欲を見せる。

 「いやあ怖いですよ、すんごい緊張します。でも理由はわからないけど、やらないとダメだとどこかで思うんですよね。お客さんの目の前にさらされる、ライブの空気を味わったほうがいいと。あの緊張感が自分を成長させてくれる気がして。定期的にやる修業みたいな感覚です」

 長く一線に居続ける人は、必ず自らに負荷をかけている。そっちに行ったら本気でヤバい、そう思う道を選び続けるよう。

 「例えば20代くらいで、どうしていいかわからなくて辞めていく俳優さんも多いけど、いま悩むことだって5年も経てば、なんであんなことで悩んだ?と視野が広がるかもしれない。僕もこれから50代を迎え、どういう役者になるだろうと考えるのが楽しみです」 

 年下の才能ある監督や役者と一緒にやるのも、年齢を重ねたからこその面白味を感じる。

 「才能ある人と組むとき、若いころは怖さも嫉妬もあって、余計なことをたくさん考えていました。でも年を重ねると、そうした時間はただ充実していると思える。自分の居心地のよさ、心地いい精神状態を知り、自分のリズムが確立していきますから。それが確立していたほうがやっぱり楽しい。年齢を重ねてからのほうが面白いのは間違いないと思いますね」

 

眞島秀和

『#居酒屋新幹線』
●出演:眞島秀和 ●2022年2月5日~チャンネル銀河にて放送
損保会社の内部監査室で働き、日帰り出張で全国を飛び回る高宮進(眞島秀和)。現地で見つけた郷土料理を楽しみ、テイクアウトグルメや駅弁、スイーツ、地酒やクラフトビールを買い込み、帰りの新幹線でひとりゆっくりと味わう。

https://www.ch-ginga.jp/feature/izakayashinkansen/

ⓒ「#居酒屋新幹線」製作委員会・MBS

文/浅見祥子 写真/菅原孝司(東京グラフィックデザイナーズ) 
ヘアメイク/佐伯憂香 スタイリスト/増井芳江

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