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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

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混合栓の取り付け【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【34】

前回では、給湯器の「警報E3」が点滅……。今回は、その対処とシャワー付き混合栓の取り付けだ。なかなか浴槽の施工までたどり着かず。

掲載:2019年3月号

蛇口からの水圧が弱いので、順番に原因となりそうなところをチェックしていく。まずは給湯器。配管を外して水圧を直接チェック。

「警報E3」は燃料が届いてない

 前回までのおさらいを……。
 お隣C国製の「インチキ混合栓」でひどい目に遭った施主・和田。結局、あとで日本製を買い直すことになったのだが、次なる作業は「石油給湯器」の設置である。しかし、これもまた解体現場からタダでもらってきたため、壊れているかどうかすらわからない。とりあえず給排水だけ配管して、リモコンのスイッチを入れてみた。無事に電源は入ったものの、温水を全開にしてみると電子表示には「警報E3」の文字が……。
 というわけでさっそくネット検索してみる。便利なものですぐに原因が判明した。
和田「ええとね……。【燃料切れ・油タンクへの水の混入・油ストレーナーの詰まり・送油バルブの閉止・給(排気)経路の閉塞を確認してください】だってさ!」
阪口「要するに燃料が届いてないってことか?」
 さっき和田が灯油タンク(←これももちろん、もらいもの)に灯油を補充していたが、どうやらその燃料コックが閉まっていたらしいのだ。さっそくコックを開け、リモコンの運転スイッチをいったん切って再始動し、改めて温水を出してみる。しばらくすると……。
 ブボボボボ。
 燃焼音とともに、灯油が燃えるにおいがしはじめた。そのうち白濁していた水が透明になり、そしてついに!
中山「出た出た! 温水だ!」
和田「出た!?」
中山「出たけど……、どうも湯量が少ないね」
和田「どれ???」
 給湯器の前からすっ飛んできて水栓から出るお湯をチェックするテキトー施主である。
和田「キッチンは?」
水野「こっちもチョロチョロ」
 そこであちこちチェックしてみる。どこもかしこも疑わしい箇所ばかりなので、原因究明が非常に困難である。

フィルターの詰まりを疑って外してみるが、問題はないようだ。

次にキッチン。こちらは、水のほうも水量が少ない。なぜ?

じつは配管の問題ではないかとの疑いが出て、潜って調べてみた。そしたらフレキホースをムリヤリひん曲げて配管したので、途中で潰れていた。これが原因か!

潰れた配管を元通りにしたら、ちゃんと水が出た。すべてがテキトー過ぎて、どこでトラブルが発生するかわからないのが、この家のオソロシイところ。

今度は洗面所。蛇口の問題かもしれないので、違う蛇口に付け替えて試してみることに。手にしているのはシンクから外したC国製の蛇口。

 紆余曲折の末、やはり給湯器の問題ではないかということになり、改めて給湯器に貼ってある「注意書き」をよく読んでみた。
 そこには「貯湯式(ちょとうしき)」と書いてある。再びネットで調べてみると……、給湯器には大きく分けて「貯湯式」と「直圧式(ちょくあつしき)」があるようだ。

□貯湯式
 タンクに水をためてから沸かすタイプ。減圧されるため、水圧が弱くなる。井戸水などで水質が悪い場合でも損傷が少ない。本体費用、メンテナンス費用が安め。
□直圧式
 給水と同時に加熱しながら給湯するタイプ。水道の圧力をそのまま利用するため水圧が高い。タンクが不要なためサイズもコンパクト。お湯切れの心配がない。

中山「湯量が少なくてもいいんじゃない。タダだし」
和田「ダメ! お湯はたっぷり出ないとね!」
一同「ぜいたく言うんじゃねー!」

配管の誤差はばか力でねじ込む

 湯量が少ない原因は貯湯式給湯器なので、これはもう仕方がない。ということで、次は風呂の「シャワー付き混合栓」の取り付け作業である。
水野「これはC国製じゃないんだよね?」
和田「もちろん日本製ですよ!」
阪口「うちのほうが高いヤツだ」
中山「うちのも、もうワンランク上のヤツ」
阪口「レバー部分が樹脂のままじゃなくて、クロームメッキしてあるんだよね」
中山「そうそう。そこで高級感が違ってくる」
和田「いいじゃんそれくらい!」
 小姑的なツッコミはさておき、この混合栓(俗に「カラン」ともいう)の取り付けは、けっこう面倒である。在来浴室の場合、たいがい下地がコンクリートなので、我われの技術では給水管の取り出し位置に誤差が生じやすく、しかもやり直しがきかない。また、本体を水平に取り付けるのも難しい。ご自宅の混合栓をチェックしてみれば、プロでもけっこう苦労しているのがわかるはずである。
 そしてここでも、和田のテキトーぶりが炸裂した。温水と冷水の配管の、壁からの飛び出しの誤差が大きすぎる! 温水側は壁にほぼ埋没しているのに、冷水側は1㎝以上飛び出している。どう見てもカランをバランスよく取り付けられそうにない。
 混合栓本体も、施工の面倒さを考慮して相当な誤差でも対応できるようアソビが設けてあるのだが、それを軽く凌駕する誤差なのであった。
中山「メーカーが想定するナナメ上を行くずさんな施工……。さすが」
水野「で、どうするの?」
中山「ムリヤリ取り付けるに決まってるじゃないですか」
 そう。最初は四苦八苦していた和田であったが、持ち前のばか力でムリヤリねじ込み……、気がついてみれば通常通りの仕上がりに落ち着いたのである。
阪口「前にも言ったけど、コイツの施工を見ていると無性に腹が立ってくるんだよな」
水野「テキトーなのに、なんとなくうまく仕上がるからね」
和田「終わりよければすべてよし」
一同「ムカつく……」

シャワー付き混合栓の設置工事。左右の腕を取り付け、次に本体が水平になるように施工しないといけないんだが、「前後のズレ」というのは想定外だ。

かなり苦労したが、取り付けてみれば、仕上がりはフツーと変わらないのである。

床は無垢材、壁は野地板!? 意味不明なコダワリ

 和田が給湯器の工事をしている間に、中山は洗面所の床張りである。ここもまたマツの無垢材というぜいたくな仕上げにするんだそうである。
阪口「そのわりに壁は格安の野地板なんだよね。しかもプレーナーかけてないし」
和田「だから! 壁はワイルドに仕上げたかったの!」
 まったくもって意味不明のコダワリである。
中山「……で、床張るのね?」
和田「そう! でもここは点検口なんで! そこんとこヨロシク」
水野「平成も終わるというのに昭和ネタですか」
 和田によれば、洗面所の床下に配管が集中しているので点検口を設けたいということらしい。
阪口「プロでもVP管に接着剤つけるのを忘れて、あとでダダ漏れっていう事故がけっこうあるらしいね」
水野「床下水浸しって怖すぎ!」
阪口「ま、うちはアタッチメントを使う新技術『架橋(かきょう)ポリエチレン管』を使っているから水漏れの心配はないんだよね。おっほっほ」
中山「奥多摩の人力山荘なんて、水道の施工をしたのがDIY経験の浅い最初期だから、いつ破損するかハラハラしているよ。ここの家もそうだろうけどさ」
和田「大丈夫大丈夫! 壊れたら直せばいいんだから!」
水野「でもさ、点検口の上って洗濯機置くスペースなんじゃないの?」
和田「大丈夫大丈夫! めったに開けないから!」
 相変わらず、なにが大丈夫なのか、さっぱりわからないテキトー施主であった。
 そして中山が床を張っている間に和田が運び込んできたのは、以前紹介した、ヤフ○クで落札したというヒノキの浴槽であった。
 ここでもまた一悶着起きるのか……。続きは次回でご報告!

脱衣所の床の施工。配管部分を美しく切り抜いたの、わかりますでしょうか? 点検口にもちゃんと対応。

壁と天井の施工も終わりご満悦の施主。壁はヒノキだが、天井はなぜかスギ。
和田「予算の都合です」

文/中山茂大 写真/阪口 克

 

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