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田舎暮らしの本 7月号

6月3日(金)
850円(税込)

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キュウリ/自然菜園のスゴ技【第3回】

掲載:2022年6月号

根張りよく育ててまっすぐな実を穫る ネギクラツキと草マルチで収量アップ

キュウリはネギクラツキを準備し、株間を広めにとって根張り優先で育てましょう。まっすぐなキュウリが育ちます。5~8節以降は子づるをとらずに伸ばします。枝葉が茂り、根張りがよくなります。草マルチを繰り返し、地温を抑えて乾燥を防ぎ、実は大きくせずにどんどん穫って、長くたくさん収穫してください。

1 土づくり

①初めての菜園には畝を準備 日当たりよく肥沃な畑を好む

 霜に弱く、真夏の高温も嫌います。水分を好み、水がたまると根腐れするので、水持ちよく水はけのよい土が適します。生育が早く、収穫までにしっかりと根を張れる肥沃な畝が理想。

 はじめて畑にする場所などでは定植の1カ月前に畝全体の準備をしましょう。前年に野菜がよく育った畑では必要ありません。

②定植1カ月前にネギクラツキ 微生物の働きで土を肥沃に

 キュウリは植え付け後の生育初期に、根をすんなりと、しっかりと張らせるのが最大のポイントです。定植する場所は、1カ月前にネギクラツキで準備してください。野生のウリは去年の実が腐熟した場所から生えます。これを模したのが完熟堆肥を埋めるネギクラツキです。完熟堆肥に集まる微生物と、ネギの根から出る有機酸の働きで土が肥沃になるうえ、病気予防にも役立ちます。

植え付け予定位置に穴を掘り、完熟堆肥を入れて埋め戻し、ネギを植えてウマの鞍状に土を盛り上げる

2 準備

①植え付け前にしっかりと揺れない支柱を立てる

 キュウリは風で枝葉が揺れると根が傷んで樹勢が落ちてしまいます。揺れない支柱を立てて紐やネットを張り、巻きづるをしっかりとつかませてください。根を傷めないよう、支柱は植え付け前に立てましょう。株数の少ない家庭菜園では、4本の支柱を合掌させるティピー型が手軽でがっちり立てられます。キュウリは涼しさを好むので、苗は支柱の北側に植えます。

市販支柱のサイズは直径16mm×長さ210mm。4本の支柱を麻紐で縛ったティピー型支柱。巻きづるがつかめるように紐を渡す。深さ20~30cm まで土に挿しこむ。支柱間の距離は、地面近くで測って80~90cm。

②苗には植え付け前日に水やり 当日は3時間前から底面吸水

 苗には前日の夕方にたっぷり水やりし、定植3時間前からは、ポットの底をストチュウ水に浸して底面吸水させましょう。苗に充分な水を蓄えさせたうえ、定植後3日間は水やりせずにおくと根が深くまで水を求めてよく伸びます。

※ストチュウ水 酢・木酢液・焼酎を1:1:1に混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL)3杯分の原液を混ぜる。

底面吸水は深さ3cmほどにストチュウ水を張り、苗のポットを浸す

3 植え付け

①受粉のため2株以上を定植 広めの株間でのびのび育てる

 キュウリをはじめウリ科の野菜は他花受粉のため、2株以上を植えます。株間は80~90cmに。枝葉も根ものびのび育って、長くたくさん収穫できます。

ティピー型に組んだ4本の支柱の対角に2株を植え付ける

②遅霜の季節が過ぎてから 草マルチは株元まで覆う

 苗は霜に弱いので、定植は遅霜の時期が過ぎてから。最低気温12℃以上、フジの花が咲き、小麦が出穂するころです。

 ネギクラツキに、ネギを抜いて植え穴を掘り、キュウリの根鉢に抜いたネギを沿わせて植え付けます。

株元まで草マルチで覆って乾燥を防ぐ

植え穴に根鉢を入れたら、掘った土を隙間に戻し、しっかりと鎮圧。根鉢と土を密着させて根の生長を促す

4 お世話

①草マルチで土の水分を保ち 地温の上がり過ぎを防ぐ

 植え付け後のキュウリは、株元を草マルチで覆って草の発生を抑え、保湿するのがポイントです。浅根が育って枝葉がよく茂ります。草マルチは最初から株元まで敷いてください。

 乾燥を嫌い涼しさを好むので、その後も繰り返し畝や通路の草を刈り、草マルチを重ねます。高温乾燥の真夏に向かう生育後半には通路や畦の刈り草のほか、手に入ればワラやススキなども敷き重ねましょう。

土が見えないように、畝上だけでなく通路や畦の草も刈って草マルチを敷き重ねていく

②つるが伸びたら早めに誘引 ティピー型支柱では誘引を継続

 つるが伸びはじめたら早めに、麻紐を使って支柱やネットに誘引します。ティピー型支柱に紐を渡した場合は、生育中はよく観察して、こまめに誘引を続けてください。キュウリネットを張った場合は、伸びはじめに誘引して方向が決まれば、あとは巻きづるがネットをつかんで、人の手を借りずにネット全体に広がっていきます。

葉の付け根に余裕を持たせて麻紐をかける↓

茎に麻紐を巻きつけるようにして誘引する

③花が咲くまで放任し 開花後5~8節までわき芽を摘む

 植え付け後、花が咲くまで、わき芽はつけたままにして、根を育てます。開花後は、下から5~8節目まで、わき芽を摘みとってください。上まで摘むほど収穫開始は遅くなりますが、長期間収穫できます。キュウリ用U字支柱で育てる場合は収穫期間が長いので、8節目まで摘むとよいでしょう。

 これより上に出るわき芽はそのまま残し、子づる、孫づるに伸ばしてください。

葉の付け根から出るわき芽をつまんで除く。巻きひげをとらないように注意

④葉の上から週に1度 ストチュウ水をたっぷりと

 開花後は夕方に週に1度、葉の上からストチュウ水をたっぷりとかけてください。乾燥を嫌うキュウリには、水やりは草マルチとともに大切なお世話。うどんこ病を予防し、着果を助けてくれます。

水滴が葉の上からポタポタと滴り落ちるほど、ジョウロを使って夕立のようにかける

5 収穫

①2週目まではピクルス大 3~4週目はミニキュウリ大で穫る

 キュウリは実を付けると養分が実に向かい、枝葉と根の生長が弱まります。実の成りはじめは小さいうちに穫り、樹の生育を促しましょう。樹が充分に育って病虫害に強くなり、長くたくさん収穫できます。成りはじめの2週間はピクルス大、次の2週間はミニキュウリ大で穫ってください。

収穫開始から3~4週目はこの大きさで穫る

②80~100gで毎日収穫 残さず穫れば収量アップ

 キュウリにとって収穫はいちばんのお世話です。5週目以降も実は市販のMサイズ、80~100gまでで穫ります。プロの農家は朝夕収穫しています。最盛期はできれば毎日畑に通いましょう。翌日収穫できない場合は、50g以上を穫ります。1本も残さず、すべて穫ってください。

ハサミを使って穫る。キュウリの実は半日でサイズが変わる。こまめに通って収穫したい

6 補い

①実を収穫した夕方に 週に1度の水やりを続ける

 収穫開始後も週に1度、ストチュウ水の水やりを続けます。夕方、実を収穫した後に、葉にかけてください。1週間のうちに降雨があった場合も、打ち水のように葉を湿らせて暑さを抑えましょう。雨がなければ1株にバケツ1杯ほど、しっかりと水やりします。

水分を求めるキュウリにとって、水やりは欠かせない補い

②収穫後は週に1回 草マルチの上から米ぬかを一握り

 収穫が始まったら、週に1度、米ぬかを一株に一握り草マルチの上から補います。1度にたくさんではなく、毎週うっすらと撒くのがコツです。米ぬかがなければ、米の研ぎ汁を10~20倍に薄めて、草マルチの上からジョウロで補いましょう。

米ぬかを株のまわりにうっすらと補う

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、最新刊『苗で決まる!自然菜園』(農文協)ほか多数。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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