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田舎暮らしの本 8月号

7月2日(金)
850円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

定年後に買った小さな田舎家。庭いじり、菜園、陶芸、夢見た暮らし【長野県青木村】

掲載:2021年7月号

陶芸と温泉を楽しみに、長野県に通った竹部宏さん。定年後は東信エリアの小さな村に居心地のよい住まいを見つけ、庭いじりや畑、そして自然のなかでの仕事に精を出しながら、理想の生活をゆっくりと現実のものへと変えている。

日当たりのいい軒先で一休みする竹部宏さん。移住して3年目なので、木々もまだ生長途中。大きくなるのを楽しみにしている。

家の裏の敷地。半日陰なので、今年は原木シイタケの栽培にも挑戦した。

中央は青木三山の1つである、夫神岳(おかみだけ/おがみだけ、1250m)、右に続くのは滝山(たきやま)連山。

長野県青木村(あおきむら)
長野県東部、上田市の西側に広がる人口約4300人の村。面積の約8割が山林、約1割が農用地で、米や菌茸類、果樹、花卉栽培が盛ん。飛鳥時代に開湯された田沢温泉や秘湯・沓掛温泉(くつかけおんせん)なども有名。東京から関越自動車道、上信越自動車道経由で約3時間30分。

 

空き家バンクで出合った自然の恵みに囲まれた家

 夫神岳(おかみだけ)、子檀嶺岳(こまゆみだけ)、そして十観山(じゅっかんざん)の「青木三山」に見守られ、やがて千曲川(ちくまがわ)へと注ぐ浦野川(うらのがわ)沿いに家や畑が点在する青木村。面積の約8割を山林が占め、マツタケや山菜など山里の恵み豊かな土地である。

 村の中心を走る国道から少し入った山間の集落に、ていねいに整えられた庭のある家が立っている。辺りには山の水がつくる沢があり、ハタケワサビの瑞々しい緑が太陽に輝いていた。

「ここらへんではハタケワサビが自生しているんです。たくさん採らずに、ちょっと間引くように頂いて。これをしょう油漬けにするとおいしいんですよ」

 そう話すのは、この家に住む竹部宏(たけべひろし)さん(68歳)。移住して3年になる。

自生するハタケワサビを摘む竹部さん。「料理するのも好きで、これでおひたしやしょう油漬けをつくります」。

 竹部さんは群馬県前橋市出身。陶芸が趣味で、郵便配達の仕事をしながら長和町(ながわまち)にある陶芸教室に通い、帰りに青木村の温泉に寄るという月1回の楽しみを、5年間続けてきたという。

「ずっと実家暮らしで庭いじりも好きだったんだけど、実家を売却してからは前橋の集合住宅暮らしで、庭がなくて寂しいなと思ってたんです。だから、定年になったらこっちに住みたいなと思うようになって、家を探していました。そんなとき、この家が村の空き家バンクに掲載されたんです」

 建物は1LDKとコンパクトだが日当たりのよい庭があり、草木を育てることが好きな竹部さんにぴったりだった。物件の価格は215万円で、補修や駐車スペースの舗装に別途100万円ほどかかった。

「私の父が木工家具をつくる仕事をしていたので、棚や道具入れは自分でつくりました。スチール棚などの家具も物件に付いてきたのですが、私は木のほうが好きなので、少しずつ自分でつくって入れ替えています」

 移住前はバラの会に所属していたほどバラが好きな竹部さん。DIYで整備した庭に、マダムヴィオレなど5種類のバラの苗を植えた。そのほか、ナナカマドやナツハゼなどの庭木、ローズマリーやタイムなどのハーブ、アイリスなどの多年草もバラエティ豊かに植え込み、岩と土が混在する斜面は、素朴な山野草で彩った。また近くの遊休農地を借りて、家庭菜園も始めた。

「昔から庭で草花を育てるのが好きだったんだけど、ここは夢の庭になりました(笑)。いつかウッドデッキをつくれれば最高ですね」

ホームセンターで購入した材料や廃材を使い、庭をDIY。「家は1LDK。1人暮らしなのでちょうどいい大きさです」。

遊休農地を借りて家庭菜園に。「周りの農家さんに聞きながら、見よう見まねでやっています」。

 定年後に移住した竹部さんだが、昨年から、信州上小(じょうしょう)森林組合が運営する、釣り堀やアスレチックなどを備えたアウトドア施設「リフレッシュパークあおき」で働きはじめた。釣った魚をさばいて焼いたり、遊歩道の整備をするのが主な業務だ。

「この仕事は、同じ地区の人に紹介してもらったんです。家庭菜園でも、近所の人がトラクターで土を起こしてくれたり。青木村の人はみんな優しくて面倒見がいい人たちばかりです」

 少しずつ、コツコツと、自分の思い描く生活を実現させている竹部さん。

「次は、仕事が休みになる冬の間、また陶芸ができたらいいなと思っています」

以前つくった陶芸作品。「ガス窯でなく、薪窯で焼きたいんです。冬の間にまた作陶できたら」。

「リフレッシュパークあおき」は、6万㎡を超える敷地に釣り堀や渓流釣り、フィールドアスレチック、マレットゴルフ場などの施設が点在。釣りやマレットゴルフは有料だが遊歩道やフィールドアスレチックは無料。
リフレッシュパークあおき ☎︎0268-49-2923 http://www.vill.aoki.nagano.jp/assoc/aruku/rihure.html

「リフレッシュパークあおき」でニジマスをさばく竹部さん。「働きはじめたときに特訓してもらい、さばけるようになりました」。竹部さんは、4月初旬から11月初旬まで働く。

釣った魚はその場で焼いてもらえる。土日には食事処もオープンするので、そちらでも食べられる。

「リフレッシュパークあおき」の仕事仲間と休憩時間に談笑。自然に囲まれた職場だ。

 

青木村移住支援情報
子育て支援に力を入れるほか住宅支援も充実!

青木村で特に力を入れているのが子育て支援。出産祝い金制度や、第2子以降の保育料の軽減・免除、チャイルドシート購入補助などがある。住宅関連では、51歳未満の定住希望者が住宅や土地を購入または新築・改築するときに利用できる定住促進応援補助金や、村の住民で一定の条件を満たす人が申請できる住宅リフォーム工事補助など。若者定住促進住宅や村営住宅もある。

問い合わせ:商工観光移住課 ☎︎0268-49-0111
http://www.vill.aoki.nagano.jp/ijyu.html

若者定住促進住宅。ほかに村営住宅や田舎暮らし体験住宅もある。空き状況は確認を。

「国宝大法寺三重塔やパラグライダーパーク、温泉など、魅力いっぱいの村です!」と商工観光移住課・池田好由喜さん。

 

文/はっさく堂 写真/尾崎たまき

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