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田舎暮らしの本 10月号

9月3日(金)
850円(税込)

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ニットの名産地の老舗企業に転職。仕事でチャレンジ、オフも充実!【新潟県見附市】

掲載:2021年8月号

日本有数のニット産地である新潟県見附市。メンズ向けの生産量が多く、ニットがまちの顔となっている。そんな見附市で長い歴史と最新技術を持つ丸正ニットファクトリーは、積極的にIターン者やUターン者を採用している。そこへIターン就職した、2人の移住者を紹介しよう。

丸正ニットファクトリーの佐野統康(さのもとやす)社長(中央)と茂出木さん、兵頭さん。最新のニット機械がずらりと並ぶ工場で。

写真左/茂出木創平(もできそうへい)さん(30歳)
埼玉県出身。ニットづくりを一生の仕事とするために見附市へ。インターンシップを経て、2018年に丸正ニットファクトリーに就職。現在はブランド開発も手がける。

写真右/兵頭彩香(ひょうどうあやか)さん(26歳)
東京都出身。茂出木さんと同様に2018年にIターン就職で見附市に移住。サイクリングで新潟の自然を楽しみながら、新たな技術を追求している。

新潟県見附市(みつけし) 新潟県の中央部にある見附市は交通の要衝で、全国的なニットの産地。県内有数の田園地帯を持つ。人口約3万9700人。上越新幹線と信越本線で東京駅から長岡駅経由、見附駅まで約2時間。関越自動車道練馬ICから北陸自動車道中之島見附ICまで約2時間54分。

やりたいことができる場所。見附市からニットの未来へ

 江戸時代から織物の文化が息づき、戦後、ニットの全国的な産地となった見附市。茂出木創平さんが勤務する丸正ニットファクトリー㈱の創業は天保3年。約190年の歴史を誇る。

 大学卒業後、東京で暮らしていた茂出木さんは高齢者施設を訪問する営業だった。服を買って喜ぶ利用者の笑顔に感動し、もともと好きだったファッションの道を志した。服飾の専門学校で靴下やTシャツなど衣類の約6割がニットだと知り、身近なニットの衣類で人びとに感動を提供したいと考えた。

 茂出木さんが同社へ入社したのは、ホールガーメントの最新鋭の機械を導入しているから。ホールガーメントは1本の編み糸から1着のニットを全自動で編み上げる製法。縫い代がなく、エコでストレスフリーの着心地が楽しめる。

「この機械なら、ニットの世界でもっといろいろなことができるのではと思いました」と茂出木さん。現在は、顧客の指示書からサンプルを製作する仕事のほか、アウトドア用ニット製品の自社ブランド「ROUVER(ルーバー)」の中心メンバーとして活躍している。見附市の美しい自然に魅せられてアウトドア好きになった茂出木さんを知る佐野統康社長の抜擢だった。

「『ROUVER』は見た目がシャープで肌への負担が少ない、機能性に優れた新ジャンルのニット製品。市場にないものをつくるのは、大きなやりがいです」と茂出木さん。

丸正ニットファクトリー㈱
全国的なニットの産地、新潟県見附市で約190年の歴史を誇る。創業時からの理念は、より消費者に喜んでもらい、幸せになってもらおうという「顧客第一主義」。ハイテク機械の導入や企画提案に積極的に取り組み、多様な販路を開拓。欧米の市場も視野に入れている。社風は「ライフスタイルを楽しんで仕事をしよう!」。
http://www.marusho-factory.co.jp

データを入力するだけでニット製品を立体的に編むホールガーメント。裁断も縫製も不要な最新機械だ。

ニットCADを使い、プログラミング作業を行う茂出木さん。

高機能素材や環境に配慮した素材で開発したアウトドア用ニット「ROUVER」。
https://rouver.thebase.in/

 丸正ニットファクトリー㈱では、I・Uターン者の採用を積極的に行っている。社長の佐野さんは、「ここには自然とものづくりが好きな人が集まってきます。意欲があり、志が高ければ、地元でもI・Uターンでも関係なく採用します」と話す。

 デザイン画からニット製品のサンプルを製作する兵頭彩香さんもIターンだ。学生時代にホールガーメントの機械と出合い、ショップでの販売員を経て入社。

「ホールガーメントは大学時代から勉強してきた新技術。お客様のイメージ通りにできると達成感がありますね」

「技術を磨いていつかブランドを開発したい」と兵頭さん。

 兵頭さんは見附市に移住して自分と向き合う時間が増えたという。

「時間の流れがゆっくりで、心にゆとりができたと感じます。自由に使える時間も増えて、図書館通いやランニング、ジム、サイクリングを楽しんでいます。日本酒のおいしい土地柄なので、お店での飲み比べも楽しいです」

 茂出木さんも、見附市の魅力に食べ物やお酒がおいしいことを挙げた。

「商店街もお洒落でおいしい店が多く、若い人ががんばっている活気を感じます」

 今後の目標は、アウトドアをはじめとする自分なりのライフスタイルを追求しながら、自社ブランドを成功させること。

「ブランド開発を通して、丸正ニットファクトリーのファンを増やしたい。そして、いつか『ニットといえば、MADE  IN  MARUSHO』といわれるくらい、会社の価値を上げていきたいですね」

茂出木さんは、東京でお付き合いしていた優紀さんと見附市に移住後、結婚した。湖を中心に広葉樹の森林が広がる大平森林公園で。

茂出木さんをはじめ社員の人たちが集う「カフェ・ド・シモンズ」。パスタやドリアが人気。

MESSAGE


佐野社長から

移住で縁のない土地に行くことは不安かもしれません。でも地方には、温かい人びとがいます。新潟は雪国だけに春の感動は大きく、四季が美しい。山や海も近く、仕事のあとで自然も楽しめます。当社では、自分のライフスタイルを大切にしながら、仕事も楽しめる方を求めています。


茂出木さんから

地方への移住の場合、給料が低くなっても、家賃など生活にかかわる費用が安くなるメリットがあります。新しいものづくりは基本的に地方のほうが自由度が高く、盛んだと思います。ものづくりには現場の声が近いことも重要です。就職の際にはそのあたりも確認を。


兵頭さんから

やりたいことがあるなら地方への移住も含め、どんどん挑戦しましょう。一緒に働く社員の方がたから、お総菜や、収穫した野菜をいただくこともあり、地方には温かい人が多いと感じます。田舎でしかできない生活もあり、充実した日々を過ごせると思います。

見附市移住支援情報
市内をめぐる移住体験ツアーを実施

 見附市は、季節の草花を楽しめる庭園や温浴施設など公共施設を市街地に集約。それらと各地域をつなぐ公共交通網を整備することで、自ずと歩きたくなり健康で幸せになれるまちづくりを進める。市では、相談者の希望に合わせて市内をめぐる移住体験ツアーを実施(県外からの場合、現地視察の際の交通費補助あり)。また、移住定住サイト「ハピネスみつけ」で移住者インタビューや住まい情報など、役立つ情報を掲載している。
問い合わせ:見附市企画調整課 ☎0258-62-1700
https://happiness-mitsuke.jp

「みつけイングリッシュガーデン」は、県内でも人気観光スポットの1つ。カフェも隣接。

防災公園の広場は冬の間、そりゲレンデに様変わり。見附市の積雪は例年1m未満と県内では少ないほう。

「県内で最も面積の小さい市ですが、利便性は抜群です!」と、見附市企画調整課企画定住担当の北原奈々子さん。

 

文/丸山和昭 写真/伊平裕哉

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