田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら

最新号のご案内

田舎暮らしの本 12月号

11月2日(火)
850円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【20】

掲載:2017年12月号

内装工事中の和田邸。今回は壁の断熱に続いて水回りの施工に挑戦だ。まずはトイレだが、その前の配管の施工で施主・和田が四苦八苦する。

新品の「便座ナシ便器」に座ってみる和田と、あぜんとそれを眺める一同。

勝手口がトイレに変更!? セルフビルドは気の向くまま

和田「今回はトイレだから!」
 1カ月ぶりに顔を出した和田邸で開口一番、和田が宣言した。
中山「なんでまた急に⁉」
和田「連載の話題を提供しようと思ってさ!」
阪口「それで結局、どこにつくるの?」
和田「ここ!」
水野「そこは勝手口にするんじゃなかったの?」
 和田が示したのは、勝手口にすると言っていたはずのスペースなのだ。
和田「変更しました!」
一同「はあ?」
中山「まさに風の吹くまま気の向くままに家を建ててるな、こいつは」
阪口「せっかくだから外や洗面所からも入れるようにすれば?」
水野「3方向から入れるトイレって画期的!」
中山「しかもここの引き戸は、こっちが閉まると、こっちが開くという」(下の間取り図参照)

和田「それいいね! さすが3人寄れば文殊の知恵!」
水野「でも、トイレで3人が鉢合わせしちゃったりしない?」
阪口「そうそう。しかも3人とも急いでてさ(笑)」
和田「いっぺんにしちゃえば? 葵のご紋みたいに」

↑これが葵のご紋。

中山「お尻の向きが逆だね」
水野「ていうかカギつければ、すむことでしょ!」
 ああ……、セルフビルドって、なんて自由なんだろう。自由すぎて、わけわかんなくなっちゃったじゃないか……。

 

トイレの位置も二転三転。結局、引き戸の地点に落ち着いたらしい(当初は和田が立っているあたりがトイレ候補地だった……はず)。

「エアトイレ」をして、便器の位置を説明する和田。

便座のないトイレ! どうやって用足すの?

中山「ところで肝心の便器は?」
和田「もちろん買ってありますよ! インターネット通販で1万9700円!」
水野「さすがに新品なのね(笑)」
和田「中古でもよかったんだけどね!」
中山「便器で中古はないだろ」
阪口「しかしこれ、ちょっと古いタイプだね」
 設備オタクの阪口によれば、最新式は、水量が少なくてもちゃんと流れる「節水型」なんだそうだ。古いものは1回に「大」で8~12Lの水が流れるが、節水型では4~6Lと少ない水量で済むという。
中山「ちなみに奥多摩の人力山荘は古いタイプ。業界4位のジャニス工業製で、洗浄機能付き便座込みで5万円と格安」
阪口「うちのは、もちろん最新の節水型(えっへん)。業界2位のイナックス(現リクシル)です」
水野「ところで、さっきから気になってたんだけど、便座は?」
和田「便座はない!」
一同「ええーっ!?」
和田「今月、予算がなくて買えなかったのよ。まぁ、一般に途上国っていわれるような国では便座がないのが普通じゃん!」
 確かに下の写真のとおり、途上国では便座がないトイレが一般的だ。その理由は、こうだ。

洋式便器に慣れてない人が、使用方法がわからずに、便座の上にしゃがみ込んで用を足す
  ↓
便座が割れる
  ↓
修理する
  ↓
再び割れる
  ↓
面倒だから便座ナシとなる

和田「私なんか、便器なしでも平気で座っちゃうけど」
一同「それはアンタが特殊なの!」
和田「じゃあ中山さん、どうやってしてたの?」
中山「隅っこに、なるべく浅く腰かけてたかな」
和田「阪口さんは?」
阪口「エアみたいに『空中式』」
水野「それはかなり苦しい……」
 ともあれ、和田邸では当分の間、「便座ナシ」の生活が続くらしい。

世界各地を旅した人力社の写真ストックより。これはフィリピンのトイレ。確かに便座がない。

施主・和田は大丈夫MANブラザーズ!

和田「じゃあ便器の設置は中山さんに任せるから! よろしく!」
水野「ホントは取り扱い説明書を読むの面倒なだけなんじゃないの?」
 担当・水野の核心を突いたツッコミは無視して作業に取りかかる和田である。
 じつは人力社、トイレの施工経験が豊富なのだ(中山1回、和田1回、阪口は手伝いと自分の家を含め4回。3人合わせると6回)。その経験から言うと……。
 トイレの施工はメチャクチャ簡単。シロウトでもできるくらいに簡略化されている(ただし配管以外)。
水野「配管ってそんなに難しいの?」
阪口「水勾配は、トイレに使う管径75㎜や100㎜は基本的に『1/100(1mで1㎝下がる)』って決まってるんだよ。流れが急なほうがいいだろうと思うでしょ? 違うんだよねー。水だけ流れて、肝心のウンコが取り残されてしまうのよ」
 その結果、取り残されたウンコに次のウンコが引っかかり、さらに次のウンコが……、という想像するとオソロシイ結果となるのだ。
和田「大丈夫大丈夫!」
阪口「だから大丈夫じゃないんだって!」
中山「せめて汚水マスを入れたら?」
 保守点検を考えるなら、配管の曲がり部分や集中する部分に、掃除用の汚水マスを取り付けるのが普通なのだ。
和田「なくても大丈夫大丈夫!」
阪口「あとで床ぶっ壊して修理することになるんだぜ? それ考えたら汚水マスくらい……」
和田「大丈夫大丈夫!」
中山「今度から和田のことを『大丈夫MANブラザーズ』と呼ぼう」
一同「……古!」

中山「面倒がらずにトリセツを読むことが一番の早道なんだと、長年の経験で知りました」(←遅いよ!)

壁の下地になる垂木材を切る担当・水野。卓上丸ノコの扱いも覚えて戦力になった?

壁の施工。垂木材を横に渡して壁材の受けにする。

面倒な天井の施工。梁の高さと野縁材の高さを合わせて天井板を敷くんだが、高さが合ってなくて野縁材を打ち直す。二度手間、三度手間である。

100㎜径のVU管は切断するのが面倒だ。2人がかりで作業。

専用の接着剤をタップリ塗りつけて……。

「ふんが~~~~っ」と押し込んで、ゆっくり10数える(説明には30秒固定とある)。

まくいかない配管に和田のイライラが爆発!

 というわけで、とりあえず配管に四苦八苦の和田である(あとで責任問題になるので施主自ら施工)。
 配管は、トイレの後背の壁から20㎝の位置に立ち上がりが突き出すようにする(トイレの規格によって違います)。だいたいの長さが決まったら、直管とチーズ(T字形の接続管)を接着剤で接着。作業は順調に進んでいると思いきや……、配管が長すぎて根太に引っかかり、外に出せなくなるというトラブルが……。仕方なく根太を1本切断することになってしまった。
 位置決めが確定したら、勾配に気をつけながら配管する。ここで和田がとった作戦は「針金で吊るす」。勾配を見ながら、配管の高さを調整しようというわけだ。しかし考えていたよりもはるかに面倒くさいことが判明した。
 なぜなら……、ブラブラするからである。
 ついに和田のイライラが爆発。
和田「あーもう!  面倒くさい!」
阪口「仕方ないなあ」
 応急処置で阪口がこしらえた木枠で固定するも、今度は和田が下穴を開けずにビスを打ち直したので、木枠が割れてしまったではないか。
水野「和田さんがやると、いつも悪いほうへ悪いほうへ行っちゃうんだよね(笑)」
中山「行動が刹那的というかさ。常に対症療法で勝負するという」
阪口「平たく言うと計画性がないよね」
和田「ぐ……、わかった! 余っているセメントぶち込んで固めちゃう!」
 結局、セメントで固めるという暴挙に落ち着いたのであったが……。しかし、これがガチガチに固まってしまったら、さらに補修が面倒なことになるのではないかと……。
和田「大丈夫大丈夫!」
「大丈夫MAN」は、いつでも「大丈夫!」なのである。

ある程度連結してから床下に配管しようとしたら、根太が邪魔で入らないことが判明。笑って誤魔化す中山。

微妙な水勾配は施主自ら施工。水準器を当てながらの作業。

針金で吊ってみたが、なんだか「逆勾配」の気配が濃厚。
※本来、左の外壁側に傾斜していないといけないのに、右に傾いている。

そこで木枠で固定する作戦に変更。

根太に固定してみたら著しく突き出たので手ノコで切断する。

ちなみに外はこんな感じ。コンクリ基礎に150㎜径の配管口が開いているのだ。

最終的にこのように木枠で吊るしたんだが、それでも不安(不安定?)なので……。

いろいろとうまくいかないので、施主・和田の堪忍袋の緒がブチ切れてしまった。

セメントがぶちまけられ、このような結果に(じゃあ最初からこれでよかったんじゃ⁉)。

文/中山茂大 写真/阪口 克 イラスト/和田義弥

 

この記事をシェアする

関連記事

この記事のタグ