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10月1日(金)
850円(税込)

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焚き火の薪の選び方/樹種による燃え方の特徴をマスター

掲載:2020年1月号

薪の燃え方は樹種によって違ってくるので、その燃焼特性を知っているとより効率的に焚き火ができる。ここでは薪としてよく利用される樹木を中心に、木の種類による焚き火での使い勝手を紹介する。

体積が同じなら重い木ほど火持ちがいい

 樹木はその種類によって、火力や火持ち、着火性などが異なる。ただ、じつを言うと乾燥重量当たりの燃焼効率はどんな樹種でもほとんど変わらない。つまり、薪の体積が同じなら比重が高い(重い)ほど、火持ちが優れるということだ。

【広葉樹】

[コナラ]火持ちがよく、火力も強い。

クヌギと並ぶ里山の代表的な樹木で、昔から炭や薪に利用されてきた。火持ちがよく、火力も強い。火にくべるとパチパチと音を出してよく燃える。比重は約0.67。

 

[サクラ]火力は中程度、火持ちはよい。煙に甘い香り

地域によっていろいろ品種があるが、関東以南で多く見られるのはヤマザクラ。火力は中程度、火持ちはよい。煙に甘い香りがあり燻煙材としても好まれる。比重は約0.60。

 

[ケヤキ]堅く、火持ちは抜群。煙に独特の臭い

山や森に自然に生えているほか、昔ながらの屋敷にもよく植えられている。幹は非常に堅く割るのは難儀だが、火持ちは抜群。ただし、煙に独特のキツイ臭いがある。比重は約0.69。

 

【針 葉 樹】

[スギ]着火性はよいが火持ちは悪い

戦後、日本で最も多く植林された木で各地にスギ林が見られる。建築材料としても一般的で、廃材も薪になる。割裂性がよく割るのは容易。着火性はよいが火持ちは悪い。比重は約0.37。

 

[マツ類]火つきがよい。火力も強いが火持ちはいまいち

山や森で普通に見られるのはアカマツ。北海道や信州などの寒地ではカラマツが植林されている。ヤニが多いため火つきがよい。火力も高く高温になるが、長くは持たない。比重は約0.52。

 

【タ ケ 類】

節を抜かないと破裂する! 高温になるが火持ちは悪い

茎が木質化するタケも薪として利用できる。ただし、節を抜かないと破裂するので、必ず割ってから火にくべること。炎を高く上げ、高温になるが火持ちは悪い。比重は0.3~0.4程度。

 

焚き付けには針葉樹、ゆっくり燃えるのは広葉樹

 樹木は大きく分けて針葉樹と広葉樹があるが、比重が高いのはクヌギやコナラ、ミズナラ、ケヤキ、カシ類などの広葉樹だ。昔から薪として利用されてきた樹木で、日本の多くの森で普通に見ることができる。着火性は高くないが、一度火がつけば少ない煙でゆっくり燃え続け、その後は炭状の燠(おき)になって遠赤外線を発するので、料理をするにも暖を取るにも広葉樹は向いている。また火持ちがいいということは、それだけ用意する薪も少なくて済むので、現地で薪を拾い集めるときも楽だ。
 
 一方、スギやヒノキ、マツ類などの針葉樹は、広葉樹に比べて比重が低いため火持ちが悪い。コナラとスギを比べるとその差は2倍近くになる。加えて針葉樹は比較的含水率が高いのでよく乾燥させないと使いにくいのだ。煙も多く出る。燠ができにくく、そのまま灰となって燃え尽きてしまうところも薪としての魅力を半減させる。ただ、ヤニなどの油分を多く含むため着火性がよく、火力も強いので焚き付けには最適。
 
 薪を現地調達する場合は植生にも左右され、樹種を選ぶ余裕はあまりないと思うが、できれば焚き付け用には針葉樹、メインの薪には比重の高い広葉樹を用意しておくといいだろう。

 

 

文/和田義弥 写真/阪口 克

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