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田舎暮らしの本 10月号

9月3日(金)
850円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【7】

二重桁が持ち上がった和田邸。引き続いて小屋組作業に入る。
そこで炸裂したのは、もはや「神レベル」に到達した、
和田のテキトーぶりなのであった。以下詳細をご報告!

4月30日午後5時。ついに棟上げ完成。道路向こうの高台(高さ4mほど)と目線が同じ。左下には、高所恐怖症のため、ただ1人、最後まで小屋組に登れずに脚立から写真に収まる中山が。

あくまで問題を生じる「いろはにほへと……」

柱・梁(はり)・桁(けた)の構造材が組み上がってひと安心の和田邸である。午後も遅くなってからひと息入れ、最後の頑張りとなる「小屋組」の作業にとりかかることにした。
小屋組というのは梁桁から上の屋根を支える構造のことだ。柱などと比べるとひと回り細い材でも大丈夫なので、木材を上げるのも楽ちんである。あの巨大丸太の悪夢がまさに夢のようだ。
しかし…… 、「別の悪夢」が助っ人さん一同に襲いかかった。読者のみなさんの想像(期待?)どおり、いまや「テキトー大王」に昇格した施主和田の恐るべき「いい加減さ」である。
それは助っ人さんの素朴な疑問から始まった。
柴田「あのー…… 。『り―四』が入らないんですけど」
和田が作成した番付表が、格好つけて「いろはにほへと」で指定してあるのは既報のとおりである。「り―四」とは、家を正面(南側)から見て右手前あたりの母屋を支える束(つか)の1つなのであった。
和田「おかしいなあ。見せてみ?」
別の作業をしていた和田が、梁を伝って件の地点に移動する。
和田「これは『い―四』! 『り』じゃなくて『い』!」
「読めないお前が悪い」といわんばかりの和田の態度に、助っ人各位からブーイングがわき起こる。
一同「『い』か『り』か、わかんないっつーの!」
さらに作業が進むと別の地点でも疑問の声が起こった。
平方「こっちのは『る』か『ろ』か、わかんないんですけど」
和田「どれ!?」
またしても梁を伝っていそいそと確認に行く和田である。
和田「これは『ろ』だってば!」
一同「だから、読めねえんだっつーの!」

2つある相番、さらに不明!? テキトー大王の真骨頂

もっとすごいのが見つかったのは、その直後であった。
荻原「こっちもわかんないのがあるんですけど」
和田「今度は何?」
荻原「『は―四』と『と―四』と両方書いてあるんです」
一同「なんじゃそりゃあ?」
ズッコケそうになる一同に、和田がトドメの追い打ちをかけた。
和田「どっちの文字が古そう?」
中山「いつ書いたかで判断するのか、オマエは!?」
水野「それ以前に、なぜ2つの指示があるのかわかんない(笑)」
しかし「テキトー施主」和田の最高傑作は、このあとに控えていた。
橋川「もっとすごいの見つけた!」
一同「なになに?」(このころになると、どんなテキトーなことが書いてあるのか、みんなが期待していた)
橋川「ここにホラ!『不明』って書いてある!」
その場の全員がひっくり返ったことは言うまでもない。
そしてそれは「テキトー施主」和田が「テキトー大王」に昇格した瞬間であったとさ……。
その後、和田がコッソリ打ち明けるには、
和田「いやー、じつは仮組みしたあとでバラすときに、相番振るのをすっかり忘れててさー」
そして和田はこう続けたのである。
和田「うろ覚えで書いたんだよねー」
ああ……。やはり君は「テキトー大王」の称号にふさわしい施主だよ。もはや仮組みをした意味がまったくないではないですか……。

束を立てたら母屋と棟木を組んでいく。ホゾ穴はブカブカで、「組む」というよりも「載せる」感じである(はまらない悲劇を避けたものと思われる)。
作業はさっさと進んだが、ユルユルなので下手に体重を預けようものなら棟木もろとも落下してしまいかねないから要注意である。このころになると、梁桁に渡した足場板の高さにも慣れた助っ人さんたちがヒョイヒョイと伝い歩いているのを、うらやましく見上げる中山であった。最後まで怖がっていた柴田さんもついに上がり、結局最後まで下からの後方支援で終わったヘタレは、中山ただ一人であった……。

梁桁の上で小屋組作業が進む。ここでも下から見上げるのみの中山。

やはり登れない組の柴田さんと平方さん。このあと2人とも登れるように。

足場板の上をホイホイ伝って歩く助っ人のみなさん。写真目線が高くなったのは、カメラマン阪口が意を決して登ったから。

カケヤで二重梁を叩き入れる。やはり登れてない中山。

最後の1本、棟木が組み上がった。

ディスクグラインダーは消しゴム!?

最後に、棟木に施主と助っ人一同の連署である。
和田「上棟 平成二十八年四月三十日 施主・棟領 和田義弥……と」
阪口「あれ?『棟領』だっけ?『棟梁』じゃなかった?」
和田「……グラインダー持ってきて! グラインダー!」
一同「消しゴムかよ!(笑)」
最後までディスクグラインダーが活躍した和田家の棟上げでありました……。

施主和田が署名。次に助っ人さんが連名。慣れない高所なので、文字がヘロヘロだ。

こうして無事に棟上げが終わり、お待ちかねの上棟祝いである。三重県から手伝いに来た橋川さんと埼玉から参戦の荻原さんの上棟祝い「伊勢エビ」をはじめ、山海の珍味……、というほどでもないごちそうが並び、酒宴が張られた。
和田「いやー、みなさんお疲れさまでした」
阪口「しかし棟上げできてよかったねえ」
水野「あの大きな丸太が上がるなんて」
中山「何しろ無事故でよかったよ」
水野「それで今回の教訓ですが」
阪口「まずは、『いろは』はやめようねってこと(笑)」
中山「それから足場はちゃんと組もうねってこと」
和田「ちゃんと組んだじゃん」
一同「あれはカズさんに言われたからだろ」
阪口「あと三脚ね。自在クランプで組んだ三脚をあとでバラしたら、ボルトがユルユルでさ。よくこれであの巨大丸太が持ち上がったな あって、怖くなったよ」
水野「写真を見たら、三脚に使った単管パイプがすっごいしなってたよね。怖すぎ」
中山「まあしかし、小屋組の仮組みはやっておいて正解だったね」
和田「おかげさまで、とてもスムーズにできましたよ」
一同「スムーズじゃなかっただろ、全然!」
中山「うろ覚えで書いてるし」
和田「まあホラ……。オレって、おおらかだからさ!」
一同「ふ・ざ・け・ん・な!」

上棟祝いの酒宴がスタート。

土産の伊勢エビに食らいつく施主・和田と息子のコウヨウ。

たいして働いてもいないのに腰痛を訴える中山が担当編集・水野に腰をもませる。

上棟といえば餅撒き。このときを待っていたのが助っ人さんの子どもたち。

文/中山茂大 写真/阪口 克 イラスト/和田義弥

第1回 基礎工事
第2回 墨付け、刻み
第3回 柱、梁、桁の刻み
第4回 棟上げ目前
第5回 棟上げ
第6回 棟上げ
第8回 足場組み、家起こし
第9回 屋根
第10回 屋根材張り&プロによる中間チェック

 

人力社

ライター中山とカメラマン阪口、 ライター和田の旅とDIYを得意とする3人組トリオ。「人力山荘」シリーズでは中山の母屋リフォーム、中山のアネックス新築DIY、和田の自宅新築DIYを連載。阪口も自宅をDIYで新築している。

人力社HP➡www.jinriki.net

阪口HP➡https://www.sakaguti.org

和田HP➡http://www.wadayoshi.com

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