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田舎暮らしの本 6月号

4月30日(土)
850円(税込)

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漆喰塗り【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【29】

前回から地味な作業が続く和田邸。今回の作業もまた地味……、なので時事ネタからスタートしてみた。

掲載:2018年9月号

なにかと危うい和田邸現場を、AIが危険度判断したらきっとアラートが鳴りまくりだろう。写真のような「床断熱のため発泡スチロールを張る」行為は、床を踏み抜く確率70%。

AIはセルフビルドに活かせるのか!?

 少し前になるが「シンギュラリティ」という言葉が話題になった。AI(人工知能)が人間の頭脳を超える瞬間である。
中山「すごい時代になったもんだよねー」
和田「映画の『マトリックス』が現実になっちゃうね!」
阪口「あいつら不眠不休で24時間勉強しているんでしょ? そりゃ人間超えちゃうよね」
中山「そこで、このAIをセルフビルドで活かせないかと」
水野「なんか、強引にもほどがあるね(笑)」
中山「例えば和田邸の現場での危険予測。足場に3人乗った瞬間、アラートが鳴って、『崩落する確率が60%に上がりました』みたいな」
一同「いいねー!」
中山「セメント袋を持ち上げるとき、『ギックリ腰になる確率が80%を超えました』とか」
一同「ますますいいねー!」
和田「いっそのことAIに建ててもらえばいいじゃん!」
水野「それじゃセルフビルドじゃないし!」
阪口「そうなると、この現場、アラート鳴りまくりだな」
和田「そんなことないから!」
阪口「だって、すでにウッドデッキ腐って底抜けてるし」
中山「完成する前に壊れているって、すげえな」
水野「なにしろ編集長が、『和田さん家は廃屋を新築しているのかな?』って言ってたからね」
和田「……矛盾しているから!」

完成する前に壊れはじめている和田邸のウッドデッキ。腐食した穴ボコがこんなでかさに!

 

油圧ショベルで土を掘る。

高所作業でのアクロバチックな姿勢。

3人乗って足場板がたわむ。

配管の作業で床下に潜った阪口。

セメント袋を持ち上げる。

和田が植木を植え替える。

1カ月前の漆喰がとっても塗りやすい♪

 さて、本日の地味作業は、前回に引き続き漆喰塗りなんだが……。開始早々、担当・水野のオドロキの声が。
水野「なんか、すごい塗りやすいよ!」
和田「それ、前回の残りなんだよね! 余ったのをバケツに移してふたをしておいたの!」
 今回は粉末を水で練るタイプの漆喰を使っているのだが、ひと月前に作業したときは、直前に練ったからダマだらけで、ひどく塗りにくかったのだ。ところが、1カ月経ってみると、そのダマが全然見当たらないのである。
阪口「ひと月でなじんじゃったのかな」
中山「ていうか、ひと月前の漆喰が使えるのがオドロキだよ」
和田「密閉しておくと意外と長持ちするもんだね!」
 これは発見だ。漆喰は施工の数日前には練って密閉しておくべし。
 ちなみにバケツに移すときに、和田が左官コテでトロ舟に残った漆喰をガリガリこそいでいるのを見とがめたカメラマン阪口が……。
阪口「オマエ! それをやるから、ここの持ち手(背金)がはがれるんだよ! パッケージに『壊れるまで背金が取れない!』って書いてあんだろ! ここが一番壊れるんだってば!」
和田「だって、漆喰もったいないし!」
阪口「漆喰よりコテのほうが高いだろ! 自分のでやれ!」
和田「あれ? このコテ、阪口さんのだっけ?」
阪口「ここにホラ! 『阪』って名前が書いてあるだろうが!」
※現場では自分の道具に名前を書いておくのが鉄則です。

左官コテで漆喰をこそぎ落とすドケチ施主。その結果、この通り背金がはがれてしまうのだ。コテ買ったほうが高くつくだろ!

ホームセンターで衝動買いした作業ブルゾン。たった1日の漆喰作業でこの有様(泣)。

漆喰塗りの助っ人さんたち

漆喰塗りはシロウトでも危険なく作業できるし、子どもたちも楽しめるので、ワークショップには最適だ。和田邸作業で漆喰塗りにチャレンジしてくれたみなさんを大特集。

練っている中山を不思議そうに眺める和田家長女・弥生ちゃん(手前)と、オムツだけの裸姿の次男・健伸。

常連助っ人・柴田さん家族は、今回も参加。

作業に興味津々で、お手伝いしたくて仕方がない和田家長男・康陽(右)と弥生ちゃん。

初めての外国人助っ人ジェイクさん(奥)も挑戦! 手前は、三枝さん。

常連助っ人柴田さんだが、漆喰塗りは娘のはなちゃんのほうが上手だった。

和田が考案した「マスキングテープごと切り取り作戦」。漆喰が乾く前にテープをはがすのが定石だが、乾燥してからテープごとカッターで切り落とすほうが作業がラクなのだ。

ガラス入りの木枠2枚で断熱二重ガラス!?

 一同が漆喰塗りに励んでいる間に、和田は「お楽しみ」の「はめ殺し窓」づくりである。
 じつは、かなり前(2017年6月号)の作業で同様のはめ殺し窓をつくったことがあった(証拠写真)。そのときは中山が「ガラスカッター」を持参して廃材のアルミサッシから取り出したすりガラスを切ったりして半日がかりではめ殺し窓をつくったわけだが……。
和田「アレはその辺に置いておいたら割れちゃったので捨てました!」
阪口「またかよ」
中山「いえ、いいんですよ。もうなにがあっても驚きませんから」
 和田邸の現場に3年も通っていれば、精神的に打たれ強くもなるというものだ。

 それで今回はというと、やはり拾ってきた木製のガラス戸を分解して、木枠ごと再利用するという作戦らしい。確かに木枠を正確に切り出せばいいだけだから、そのほうが精度は高い。
 ガラスのはまった木枠を取り出し、120㎜幅の間柱材を四角く組んで、その中にはめ込む。よく見ると、生意気にも二重である。
和田「ガラス入りの木枠を2枚重ねにした断熱二重ガラスだから!」
阪口「アレは中が密閉されてるんじゃなかったっけ?」
和田「じゃあコーキングする!」
 木枠とガラスのすき間にベチョーッとコーキング剤を塗り込む。
和田「これで断熱も完璧だね!」
中山「ほかの窓が単板ガラスじゃ、意味がないんじゃないかと」

いったん木枠を外してガラスを取り外す。次に木枠を丸ノコで切断して必要な部分だけを取り出し、再びガラスをはめ込む。

密閉しようとコーキング剤を塗り込む和田。

間柱材に、木枠の大きさのミゾをうがち、枠をつくる。ガラス入りの木枠を2枚はめ込めば完成だ。

設置するのは桁と差し鴨居の間。二重ガラスで断熱効果も高い?

水野「家自体がすき間だらけだしね。ところで、そろそろガラス掃除したら?」
中山「うちのアクティ、廃車にして5年経つけど、フロントガラスが同じくらい汚れてる」
阪口「和田邸のサッシ窓は廃車レベルってことですか(泣)」
 和田のケチぶりは、すでにたびたび取り上げているが、さらに事例を挙げるなら……。
 和田家では、コーヒーはインスタントではなくてドリップがコダワリなんだが、粉を最低3回は使い回すのだ。
中山「だから『限りなく麦茶に近いコーヒー』なんだよね」
阪口「村上龍の小説か?」
中山「あとね、ビールが微妙にぬるい。だからこの間、こっそり冷蔵庫の温度調節を『最強』にしといたから」
和田「勝手に変更しないで!」
 こうして内壁の施工は、あらかた終了したのであった。
阪口「そろそろ完成も見えてきたんじゃないの?」
和田「あとは洗面所と浴室と給湯器と床張りと掃き出し窓と薪ストーブかな!」
中山「けっこうあるな」
阪口「部屋の仕切りは入れないの?」
和田「奥の二間の間に襖を入れようかと思っているけど、あとは全開放かな!」
水野「なんか冬、寒そうだよね」
和田「大丈夫大丈夫!」
中山「寒くて誰も住みたがらなかったりして」
和田「そしたらゲストハウスにするから!」
一同「ゲストかわいそう!」
 次回から新しいフェーズ「洗面所の施工」が始まるぞ。
 乞うご期待!

文/中山茂大 写真/阪口 克

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