田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら

最新号のご案内

田舎暮らしの本 10月号

9月2日(金)
850円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

玄関づくり-床張り【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【45】

棟上げが進む和田邸。一気に屋根を仕上げたいところだが、天気が悪いこともあって、作業は急きょ、床張りに変更となり……。

2020年2月号

大引が完成したところ。後は床材を張っていくだけだ。

最新の根太レス工法ならぬ、和田家は根太・荒床レス!?

 朝から小雨がぱらつく、どんよりとした曇り空である。
阪口「あーあ、今日は屋根まで仕上げられると思ったんだけどな」
和田「濡れると滑って危ないんだよね!」
中山「フリーは怪我と弁当は自分持ちっていうからねえ」
一同「このなかで労災が出るのは水野さんだけか……」
水野「労災が出たとしても、アタシは雨のなか屋根に登るのイヤだから!(キッパリ!)」
和田「というわけで今回は床張りすることにしました!」

 施工手順としては、棟上げから屋根下地材のアスファルトルーフィングまでを一気呵成(いっきかせい)に仕上げてしまうのがセオリーである。しかし足元が滑りやすい雨天では、高所作業は禁物だ。
 そこで床張りを先にやっちゃおうというわけだが、床が完成すると、「床の上に脚立が立てられて安定するので作業しやすくなる=施工性がアップする」というメリットもある。
中山「ところで床の仕上げって、どうするんだっけ?」
和田「床の天端(てんば)を土台(和田邸の場合は『足固め』)と同じ高さにする!」
水野「段差ができると框(かまち)を入れなくてはならないから、その手間を省きたいわけね」
和田「というか、古民家の縁側を見ると足固めに溝が掘ってあって、そのまま敷居になっているんだよね。それを参考にしたの」
 通常の床の施工は、土台と同じ高さに大引(おおびき)を渡して、その上に根太(ねだ)を打ち、荒床(あらゆか、フローリングや畳などの仕上げ材の下地となる床)を張ってフローリングなどの床材で仕上げる。大引は90㎜から105㎜程度の角材で、根太は45㎜程度の角材が一般的である。

阪口「根太は入れないんだよね?」
和田「入れない! それに合板なんてもってのほか!」
 最近は根太の代わりに、荒床として、ぶ厚い合板を張る「根太レス工法」というのが主流なんだそうである。これを参考にしたのかというと、どうやらそうでもないらしい。
阪口「てことは大引の上に仕上げの床材張って終わりってこと?」
和田「そう! 床材が厚さ25㎜あるからね! それにどうせ土足だし! 要はウッドデッキなんだよ。だから、根太も合板も必要なし! 材料が少ないほうが施工の手間も費用も削減できるしね」
水野「床材も、もちろん廃材なんでしょ?」
和田「もちろん! ほら!」
阪口「これまた汚い材だなあ」
和田「それでも一応マツだから、スギよりは強度があるはず!」
一同「ほー」
和田「隣のオジサンの家の塀だったやつ!」
一同「へー」
和田「……つまんないから!」

床の仕上げ材となるのは、隣の家の塀に使用されていたというマツ材。掃除すればキレイになりそうだが、面倒なことはすっ飛ばすのが和田である。

雨具の準備がなかったため、和田のレインウェアと帽子を借りた担当・水野。汚い大引を運ばされる。和田の辞書に「忖度」という言葉はない。

親子2代で廃材を使い回し!? 和田家のDNA

阪口「それにしても大引、少なくね?」
 根太を渡す場合は910㎜間隔で大引を入れるのが定石だが、根太なしだと、いかにも少ない。
和田「……わかった! じゃあ600㎜間隔にする!」
 というわけで75㎜角の大引を600㎜間隔で据えることになった。
阪口「で、基礎石は?」
和田「これ! 50年前の漬物屋の重石だったというコンクリートブロック」
中山「これまた汚いなあ」
水野「すごい古そう」
和田「ずいぶん前に、その漬物屋が廃業したときうちの父親がもらってきて、実家の物置の基礎にしていたの。それを最近解体したんだよ」
阪口「親子2代で使い回しですか」
 まさに血は争えない……。

基礎石となるのは、50年前に漬物屋で重石に使われていたというコンクリートブロック(写真右)と、解体現場からもらってきた庭石。タダほど安いものはない。ご満悦のテキトー施主。

 まずは和田が足固めに墨出しした基準線に合わせて大引の受け材をビス留めしていく。しかし和田が用意したのは、45㎜角材をさらに半分にタテ割りしたもので、受け幅は20㎜ちょっとしかない。危ういので、ビスをこれでもかと打っておく。しかし、ふと嫌な予感がして測り直してみると……。
中山「あー、やっぱりね。墨がまったく合ってないわ」
 和田の説明によれば、土台(足固め)の天端と床材の天端を合わせるので、床材の厚みの25㎜分下に墨線が引いてあるはずなんだが、測ってみると余裕で1㎝以上のズレがあるのだ。
阪口「まったく。どこまでも信用できない現場だな、ここは」
中山「最近さ、和田の施工がテキトーな理由の1つがわかった気がするんだよね」
水野「なになに?」
中山「どうもコイツは、『どうせ現場合わせで仕上げるんだから、下準備はテキトーでいいや』と思っているフシがある」
一同「あーそうかも!」
中山「だから、現場以前の墨出し作業もテキトーになる。墨出しがテキトーだから現場合わせに頼ることになる。現場合わせが増えれば、ますます墨出しがテキトーになる。言ってみれば『テキトーのデフレスパイラル』が起こっているのではないかと」
一同「おおーっ。テキトーがテキトーを呼ぶ『テキトーのデフレスパイラル』! 納得した」
和田「どうでもいいから! 作業して!」

大引の受け材を取り付ける。和田の墨線はアテにならないので念のため再計測。

やはり墨線は1㎝以上のズレが出ていた。

耳つき材(丸太の外側部分が残っている材)は長めのビスを貫通させて固定してみた。それにしても、すき間が大きすぎ!?

大引になる75㎜角材を渡す。とりあえず1本目。

加工された木口や腐っている部分は切り落とし、約600㎜間隔で大引を入れる。

大引はL字金物で固定。

体重をかけると、相当たわむ。大丈夫なのか!?

施主自らゴミと宣言する、もらいものの床材

 大引を入れたら床束を立てていく。順番が逆な気もするが、このほうが施工はラクである。
 まず基礎石を910㎜間隔で、なるべく天端が水平になるように並べていく。次に車載工具のジャッキをかませて、大引が水平になる高さまでジャッキアップする。その状態で基礎石と大引の間隔を測り、必要な長さに角材を切断してはめこむ。ジャッキを外して、かすがいなどの金物で固定すれば、ガタツキもほとんど気にならないくらいの誤差で床束が固定されるのである。
和田「へええ。どこで習ったの?」
中山「うちのウッドデッキをつくったときに試しにやってみたらうまくいったのよ。おっほっほ!」
阪口「久しぶりに調子に乗った中山を見た気がするな」
水野「なんかムカツクよね」

作業中ニアミスの和田と担当・水野。ビス打ちが上達した水野を珍しく褒める。

基礎石を置くための穴を掘るのが面倒になった和田が油圧ショベルを出動させようとするも、バッテリー上がりで動かず。

基礎石となるブロックを運んで置き(左上)、天端の水平を出し、大引の水平を見つつジャッキアップ(右上)。適当な長さに切断した床束をかませ(左下)、ジャッキを戻して120㎜ビスで脳天打ち(右下)。基礎石と緊結してないので、将来床鳴りすると思われるが……。

いびつな庭石のため、床束を置く場所で長さが変わり、苦戦中の阪口。どうしてもピッタリはまらず、ミリ単位で切り落とした木っ端をかませる。

 こうして床束の施工が完了したら、お楽しみの床張り作業である。ここで改めて廃材をチェックしてみる。
阪口「しかし汚いなあ。いつものことだけど」
水野「紫外線で退色しているし。変な虫の巣みたいなのがくっついているし」
中山「塗装すれば?」
和田「いい! このままで行く!」
阪口「じゃあ、せめて防腐剤くらい塗れば?」
和田「いい! どうせゴミだし!」
阪口「施主自らゴミと断言するところがすごいな」
和田「それに防腐剤がもったいないし!」
水野「防腐剤がもったいないとか、初めて聞いた。フツーは材がもったいないから長持ちするように防腐剤を塗るんだよね」
中山「もったいないの感覚がフツーの人と違うんだよ。コイツは」
阪口「いや、でも原価0円の廃材に対して防腐剤は一斗缶5000円だから、そのとおりといえばそのとおりかもよ」
 もはや、なにがなんだか意味不明である。
水野「だったらせめて拭いたら?」
和田「フーッ」
一同「そっちの『吹く』じゃねえよ!」
 こうして床材を張り終わり、次回からは懸案の屋根の施工だ。しかしここでも和田のテキトーが大炸裂。あまりの失敗ぶりに、「鬼の目にも涙」ならぬ、和田の目にも涙……!? 乞うご期待!

床板があまりにも汚いのでスクレーパーで表面をこそいでみる。張り付いていたゴミがボロボロ取れてくる。

お楽しみの床張りは「千鳥」(互い違いに張っていく)で仕上げることに。床材を規定の長さにじゃんじゃん切り揃えたものの、大引の間隔がいい加減で(←測ったのは中山)、左右で長さが異なり一瞬、青くなるも、パズル的な組み合わせで何とか収まってくれた。

天気が回復した翌日、ドローンより撮影。床材の色違いがなんとなくシャレオツに見えるが、単なる汚れである。

 

文/中山茂大 写真/阪口 克 イラスト/和田義弥

過去記事はこちら!
第1回 基礎工事
第2回 墨付け、刻み
第3回 柱、梁、桁の刻み
第4回 棟上げ目前
第5回 棟上げ
第6回 棟上げ
第7回 棟上げ
第8回 足場組み、家起こし
第9回 屋根
第10回 屋根材張り&プロによる中間チェック
第11回  壁の施工、窓の取り付け
第12回  差し鴨居 
第13回  外壁
第14回  はめ殺し窓、下見板
第15回 床の施工
第16回 荒床張りと電気の引き込み
第17回 ウッドデッキ
第18回 天井張り
第19回 内装工事
第20回 水回りの施工
第21回 トイレの設置
第22回 下水管の接続
第23回 下水管の接続
第24回 キッチンの施工
第25回 トイレ後日談
第26回 キッチンの施工
第27回 土壁塗り
第28回 内装&焼き杉
第29回 漆喰塗り
第30回 洗面所の施工
第31回 洗面所の施工
第32回 風呂の施工
第33回 給湯器の取り付け
第34回 混合栓の取り付け
第35回 浴槽の設置
第36回 サッシ窓の取り付け
第37回 内装や配管など
第38回 薪ストーブの設置
第39回 薪ストーブの設置
第40回 出来栄えチェック
第41回 DIY座談会&和田邸プレイバック
第42回 玄関づくり-刻み
第43回 玄関づくり-組み上げ
第44回 玄関づくり-組み上げ

人力社
ライター中山とカメラマン阪口、 ライター和田の旅とDIYを得意とする3人組トリオ。「人力山荘」シリーズでは中山の母屋リフォーム、中山のアネックス新築DIY、和田の自宅新築DIYを連載。阪口も自宅をDIYで新築している。
人力社HP➡www.jinriki.net
阪口HP➡https://www.sakaguti.org
和田HP➡http://www.wadayoshi.com

この記事をシェアする

関連記事

この記事のタグ