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田舎暮らしの本 11月号

10月1日(金)
850円(税込)

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趣味の小屋から住宅まで! 自分でつくれる木のおうち「キットハウス」で 家を建てる

2020年5月号掲載

家を建てるための材料がパッケージされたキットハウスは、自分で家を建てるセルフビルドに挑戦するにはもってこい。定年後にゼロから1人で終の棲家をつくり上げた先輩移住者のお宅を拝見!

 

販売業者との出会いでセルフビルドの夢を実現

「終の棲家となる家は、自分の手でつくりたい。そんな長年の夢を、ついにかなえることができました」

古希を目前に控えながら、そ の男性は子どものように無邪気 な笑顔を見せた。

長崎県第二の都市として知ら れる佐世保市。中心市街地から 車で約 40 分の山間部に、男性の夢だったログハウスが完成したのは、2018年2月のことだ。

 

長崎県佐世保市の山間部にキットハウスで自宅をセルフビルドした吉本辰彦さ(67歳)、 靖子さん(64歳)夫妻。室内は辰彦さん施工の薪ストーブで冬でもポカポカ。

オーナーは、吉本辰彦さん・ 靖子さん夫妻。子どものころか ら手先が器用で、日曜大工が趣 味だった元教員の辰彦さんは、60 歳で定年退職したことを機に、 セルフビルドに向け情報収集を始めた。

インターネットでいろいろ調 べるうち、ログハウス部材を輸 入・販売している「キートス」(新潟市)の存在を知る。

「セル フビルドを強く応援し、サポー トしているキートスの姿勢に共感しました」と、同社製品の購入を決断した。

当時は、佐世保市の市街地に 住んでいたが、別の人がログハウスを建てていることを耳にして足を運んだ佐世保の山間部が 気に入り、地元の人の紹介で土地を購入。

じつは、辰彦さんが靖子さん に土地購入を知らせたのは、売買契約寸前のこと。

「友人も多 い街中を離れたくなかった」と 振り返る靖子さんは当初、渋い 顔をしていたが、次第に辰彦さんの熱意を理解し、応援するようになった。

 

1年におよぶ建築の日々。業者に頼む約半額で完成

キートスから購入したのは、 少人数住宅などにぴったりな平屋ログハウスキット。夫婦2人 暮らしであることを考慮し、平屋を選んだ。

工事に着手したのは 17 年2月 で、山間部の立木を、自らチェ ンソーで伐採するところからスタート。基礎工事を経て、6月から建屋の組み立てを開始。真夏の日差しと全身の筋肉痛に苦しみながらも順調に作業を進め、 18 年2月、ついに完成した。

建築地は木が茂る山間部だったため、立木を伐採し土地を造成する作業からスタート。造成に要した期間は約2カ月間。

壁に使うログ材は長さ8.5mで、1人での組み上げは大変。しかも作業時、仮床として敷いていたパネルを固定しておらず、ズレて足を踏み外し膝を負傷。大事には至らなかったが「仮床はしっかり固定しましょう」とアドバイス。

当初は「本当に1人で建てられるのかな?」と正直、疑問を 感じていたが、日曜大工で培った知識と経験を背景に「キートスの施工書がとてもよくできて いて参考になったこともあり、 作業自体はそれほど苦労しませ んでした」という。

結局、辰彦さんが業者の手を 借りたのは、間違いが許されない基礎工事と、浄化槽設置を含む給排水設備工事、電気工事の3工程のみ。そのほかは、友人 らの手を借りる場面もいくつか あったが、ほとんどの作業を基本的に1人で手がけた。

キッチンセットも自ら設置。辰彦さんは「取り付け代の21万円が浮きました」とにんまり。

総工費は、土地取得代を含め 1200万円程度。「すべて業者に頼めば、おそらく倍以上はか かったのでは」(辰彦さん)と試算する。

アレンジとしてログハウスに ロフト部分を設けたほか、ハウス周辺にもピザ窯や作業小屋、 見晴らし台などを次々設けており、創作意欲はとどまるところを知らないようだ。

メーカーの設計図にないロフト部分。独自のアイデアによるカスタマイズが多いのが吉本家の特徴。

正面玄関。ガラスの入ったドアは非常に重量があったため、助っ人の手を借りて取り付けた。

「どうすれば1人で家を建てら れるのか、あれこれ工夫しなが ら、だんだん完成していく姿を 見ることが喜びでした」と語る辰彦さん。地下室やツリーハウ スなど、さらなるプランを口にしつつ、こう言った。

「やりたいことをすべてやって、 ワハハと笑って人生を終えたい ですね」

自分用につくったピザ窯だが「孫たちに大人気」。ふっくらと焼き上がる生地が絶品!

文/ツムギヤ・竹内 章 写真/樋渡新一 写真提供/吉本辰彦さん

※情報は2020年5月号掲載当時のものです。

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