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田舎暮らしの本 11月号

10月1日(金)
850円(税込)

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【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【17】

前回までに荒床張りが終わった和田邸。今回はウッドデッキの製作に取りかかるという。
内装も完成していないのに……、なぜ!?

掲載:2017年9月号

前回に引き続いて登場の重機で土地の造成。もちろん「タダで」もらってきた残土だ。

大は小を兼ねる。デッキも広いほうがいい!?

 荒床張りが終わり、仮設コンセントもついた和田邸。今回は内壁か、あるいは床の仕上げか……、と思って来てみたら、見事に裏切られた。
和田「今回はウッドデッキ!」
 なぜまたウッドデッキを優先させるのか? 普通は、エクステリアは後回しのはずだが……。
和田「古材が邪魔だから!」
 なるほど。確かにその通りだ。荒床を張った端から、どかしておいた古材を右から左に移動するものだから、家の中は常に古材の山。これがいまいましいほど邪魔なのだ。どうにかならんのかと思っていたら、ウッドデッキ材に流用するのだという。しかし古材の多くは梁材で、幅4寸(12㎝)、せいも8寸(24㎝)はありそうだ。
阪口「太すぎね?」
和田「大丈夫! タテ割りにするから!」
 なんと。チェーンソーでタテ挽きして平べったく加工するというのだ。
中山「大変な労力だな、これは」
阪口「確かにデッキ材は買うと高いからねえ」
 デッキ材は普通、南洋材か、安くてもヒノキなどの水に強い高級材を使用する。防腐剤があらかじめ注入されている材もあるが、それも耐用年数は5年ほどといわれている。そこを「分厚さ」で補おうという和田の目論見なのであった。
和田「大丈夫! スギやマツだけど厚みは5㎝もあるし!」
 和田が計画しているウッドデッキの構造は下の図の通り。和田邸南側全面に12坪(24畳)という、広大なものをつくるらしい。
阪口「……でかすぎね?」
中山「いや、デッキは広いほうが間違いなくいい!」(←キッパリ)
水野「そうなの?」
中山「裸足で歩き回れる面積が広いほうが、使い勝手がいい。三和土(たたき)とかにして外履きに履き替えると、そこで動線が切れちゃうから」
 かくいう奥多摩の人力山荘でも、8畳ほどの三和土の土間をつくったんだが、結局、広大なデッドスペースになってしまい、最後はネコのトイレと化してしまった……。外履きに履き替えるという、使い勝手の悪さが敗因だったのだ。
 というわけで「ウッドデッキは広ければ広いほうがいい」というのが、中山の結論である。
中山「大は小を兼ねるっていうからね!」
水野「意味が違う気も……」

古材が邪魔で仕方がない。かんしゃくを起こす中山。

土台となる古材を運び出す。重くて汚い。

1㎝ほどのとっかかりに大引(おおびき)を載せる!?

 まず、本日の作業の段取りを和田が説明する。
和田「大引(床束の上で根太を支える材)は古い柱材を流用して! 910㎜間隔でお願いね! 短いのは途中で継いで、束を入れること! 水野さんは束石用のブロックを運んで!」
水野「今度は力仕事……(泣)」
阪口「家との納まりは?」
和田「ここに載っけて!」
中山「ここって……。これ?」
 和田が示したのは、コンクリ基礎と土台の、ほんの1㎝ほどのズレである。
阪口「基礎コンクリ打ち失敗したところじゃん!」
和田「大丈夫! クライマーだって、そのくらいのとっかかりで登るからね!」
一同「関係ないし!」
和田「大丈夫大丈夫! そこは1㎝くらいだけど、こっちは3㎝くらいあるから!」
一同「もっと失敗してるし!」
 なんだか釈然としないまま作業に入る一同である。
 適当な位置に束石を配置したら、大引を加工して設置してみる。1㎝の「腰掛け」でも、両側から土台にビス打ちすれば、なんとか固定できそうだ。水準器を見ながら適当な高さで床束を嚙ませる。どんどん作業を進めていくが、そのうち隣同士の大引の高さ調整をしていないことに気づく。慌てて水準器を当ててみると……。
中山「……すげえズレてる」
水野「なんで?」
阪口「基礎の水平が出てないからじゃないの?」
柴田「材木がねじれてるんですよ」
 確かに、ひどい暴れ材だ。これじゃあ水平が出るわけがない。
和田「大丈夫! これくらいはオレのなかでは水平だから! 多少ひどいところもカンナをかければOK」
 そうだった。和田邸では「非常識が常識」なのである。

束石用のブロック30個を運び出すのにコキ使われる担当・水野。「アタシの仕事って、なんか運ぶか、防腐剤塗るかなのよね(泣)」。

ただ1人、生き生きと働くケチケチ大王。笑顔が絶えない。

本来ないはずの「とっかかり」に無理やり「腰掛け」をつくる。

短い材を継いで「受け」をつくろうとした中山だが、「ナナメ切り」は意外と難しく、あえなく敗退……。

束を立てて土台を固定するのは常連の助っ人・柴田さん。

 そうこうしているうちに、ほかの助っ人さんがやって来た。今回初登場の三枝直路さんに、竹沢七生さんと田辺紫野さんだ。和田邸初のDIYガールに、和田の鼻の下がでろーんと伸びる。
竹沢「短い大引は途中で継げばいいんですか?」
和田「あ、そこはね! 継がなくていいですよ! こっちに新しい材を用意していますから!」
阪口「なんだ。あるのかよ、新しいの」
中山「早く言えよな」
柴田「ずいぶんサービスいいですよね。和田さん」
水野「あたしたちへの、おざなりな対応とは、ずいぶん違うよね」
和田「なんか言った!?」
一同「べ・つ・に!」

初登場のDIYガールにていねいかつ親切に指導する和田に対して一部から不満の声が……。

和田の地元の友人である三枝さんは初参加ながら、こき使われる。

ウッドデッキの土台の組み立てが完成したところで記念写真。

 大引を置いたら、床束同士をその辺に打ち捨ててあった板材で固定。これでウッドデッキの土台が完成した。次にデッキ材となるタテ挽きした梁材を引っ張り出してきて敷き並べる。
中山「よくぞここまで作業したもんだねえ」
和田「タダほど安いものはない!」
阪口「毎度毎度だけど、なんで労賃を計算に入れないんだよ」
水野「表面がデコボコだけど、いいの?」
 チェーンソーでタテ挽きした材は、表面がガタガタ、厚みもバラバラ。とても裸足では歩けない。
和田「大丈夫! あとでカンナをかけるから!」
一同「出たー! 和田お得意の『究極の現場合わせ』!」
 確かに、チェーンソーで適当にタテ割りした材なので、最初から計算ずくで、できるわけもないのだが……。
 久しぶりに登場の「曲面カンナ」で、デッキ材の表面をバリバリ削り落としていく和田である。しかし材のデコボコが激しく、削る量が半端でない。膨大なカンナ屑の山に埋もれてしまいそうだ。
中山「これさ、とっといて、断熱材に使ったらどうよ?」
水野「『籾殻(もみがら)断熱』の次は『カンナ屑断熱』?(笑)」
和田「おおっ! いいねえ! そのアイデアいただき!」
阪口「どこまでケチなんだ、こいつは……」

束同士を固定する転び止めに使用するために、死蔵していたクズ廃材を運び出す。土台に防腐剤を塗り、束に交差するようにビス留め。

太い梁材をタテ割りする。さすがプロのログビルダーにしごかれただけあって、チェーンソーの扱いはたいしたもの。

タテ割りした膨大な数のデッキ材を置いていく。この状態だとまだガタガタだ。そこで延々とカンナがけ。このチップを捨てちまうのは、なんともモッタイナイ。

文/中山茂大 写真/阪口 克 イラスト/和田義弥

過去記事はこちら!
第1回 基礎工事
第2回 墨付け、刻み
第3回 柱、梁、桁の刻み
第4回 棟上げ目前
第5回 棟上げ
第6回 棟上げ
第7回 棟上げ
第8回 足場組み、家起こし
第9回 屋根
第10回 屋根材張り&プロによる中間チェック
第11回  壁の施工、窓の取り付け
第12回  差し鴨居 
第13回  外壁
第14回  はめ殺し窓、下見板
第15回 床の施工
第16回 荒床張りと電気の引き込み

人力社

ライター中山とカメラマン阪口、 ライター和田の旅とDIYを得意とする3人組トリオ。「人力山荘」シリーズでは中山の母屋リフォーム、中山のアネックス新築DIY、和田の自宅新築DIYを連載。阪口も自宅をDIYで新築している。
人力社HP➡www.jinriki.net
阪口HP➡https://www.sakaguti.org
和田HP➡http://www.wadayoshi.com

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