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田舎暮らしの本 10月号

9月3日(金)
850円(税込)

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大豆&小豆/自然菜園で育てるキッチンガーデン【第18回】

掲載:2021年9月号

根粒菌が空中窒素を固定 やせた畑でよく育つ

根粒菌の働きで固定された窒素分を、タンパク質に変える大豆。マメの3割ほどはタンパク質で、「畑の肉」と呼ばれます。古くから親しまれ、味噌、しょう油、豆腐など加工品としても食べられてきました。日当たりのよい場所で育てましょう。大豆と好相性なのは、あんこや赤飯などでなじみの深い小豆。大豆とともに、地域の風土に合った品種を選び、適期に種蒔きするのがコツです。

乾燥保存するための完熟したマメを収穫する大豆だが、マメが膨らみ切る前に若穫りすると極上エダマメとして抜群の風味。

 

縄文時代から親しまれ 田んぼの畦でよく育つ

 日本では縄文時代の遺跡からも出土されている大豆。国内に500種ほどの品種があるといわれ、各地に在来種が見られます。

 根に共生する根粒菌が空中窒素を固定し、養分が少なめの畑でしっかりマメを付けます。肥え過ぎた畑では根粒菌が働かず、茎葉ばかりが茂ってマメが付かないつるぼけになりがち。連作を嫌いますが、畑でなかった場所では根粒菌が少ないため、1年目よりも2年目のほうがよく育ちます。

 過湿は発芽の妨げになりますが、開花から実が入る時期には充分な水分が必要で、田んぼの畦を好みます。天候が不安定な近年、畑では水やりは確実な収穫への大切なお世話です。

 小豆は大豆とは異なる根粒菌が働き、適度な間隔で大豆と同時に蒔くと互いによく育ちます。

 なお、いわゆるエダマメは春蒔き夏穫りの夏大豆が進化した若穫り専用の品種です。栽培上は大豆とは分けて考えます。大豆とエダマメは競合するため混植は避けましょう。

品種選びのアドバイス

複数品種の2度蒔きが確実。地域の在来種が育てやすい

 大豆は大きく次の3タイプに分けられます。①夏大豆/夏に成熟。生育日数80~130日の早生種。②秋大豆/夏蒔き秋収穫。短日になると開花、結実が進む。生育日数170日ほどの晩生種。③中間型/①と②の中間で比較的育てやすい。地域の風土に合った品種を適期に蒔くのがいちばんのコツ。晩生の秋大豆は特に地域ごとの種蒔き適期の幅が狭く、1週間から10日ほど。中間型は比較的育てやすいです。地域でよくつくられている2~3品種を1週間隔で2度蒔きしましょう。天候不順でも適地適作になりやすいです。

エンレイ

 中間型で育てやすく、関東や北陸の各県で奨励品種になっている。種皮が黄色い黄大豆。

丹波黒豆

秋大豆の極晩生種で種蒔き適期の幅が狭い。気難しいが、大粒で甘味とコクがあり、味は極上。

「丹波黒」は種皮が黒く、正月の煮豆にぴったりの黒大豆。

地域の在来種

 適期を地域の人にたずねて種蒔きすると育てやすい。わが家では地元の「こうじいらず」という種皮が薄緑色の青大豆を育てている。

「こうじいらず」は信州、上田地方の在来種。麴を使わずに味噌がつくれるほど甘いのが名前の由来。

大豆の主なコンパニオンプランツ

マメ科やイネ科との混植で連作障害を軽減

小豆

効果

大豆と同じ環境を好み、混植でお互いによく育つうえ、連作障害が抑えられる。

栽培のポイント

栽培は大豆にならう。大豆との距離を詰め過ぎない。

収穫のポイント

一斉収穫の大豆とは異なり、マメが成熟したものから順繰りに収穫。

弾けたサヤからマメを落とさないよう、枯れたサヤから順に収穫する。

 

麦類

効果

土の団粒化を促し、水はけをよくする。緑肥として混植すると畑の余分な養分を吸い、大豆の生育がよくなる。交互作で大豆の連作障害を抑えると連作できるようになる。

栽培のポイント

緑肥にするときは大豆の種蒔きの1カ月前にすき込む。交互作では大麦や小麦の刈り取り後、切り株の間に大豆を蒔く。

収穫のポイント

緑肥の場合は種を付ける直前に刈る。完熟した麦を穫るときは、実を嚙んでカリッとかたければ晴天の日を選んで刈り取り、雨に当てずに乾燥させる。

小麦は収穫期が梅雨にかかるため湿ったまま刈り置くとカビが生えやすい。上手に乾かして脱穀したい。

 

スイートコーン

効果

お互いの後地でよく育つ。

栽培のポイント

大豆とスイートコーンを交互に1年おきに育てる。

収穫のポイント

皮を少しめくって、実が付いているのを確認し、早朝に収穫する。

実の先のひげが枯れたら、中を確かめたうえでもぎ取る。

 

ダイコン

効果

ダイコンの後地で大豆がよく育つ。大豆との混植でダイコンがよく育つ。

栽培のポイント

大豆の後地のダイコンは又根の原因になるため避ける。

収穫のポイント

葉ダイコン、ミニダイコンと、順次間引き収穫して、残したダイコンを太く育てる。

太く育てたダイコンは外側の葉が横に垂れ下がったらスが入る前に抜き取る。

大豆&コンパニオンプランツの配置例

麦類の後に大豆と小豆を蒔く

 前作に麦類を育てておき、刈り取った後に大豆と小豆を種蒔きするとよく育つ。麦の刈り株の間に蒔くか、刈り取り前の株間に蒔くと鳥に見つかりにくい。

 麦類を緑肥として利用する場合は、大豆と小豆の種蒔きの1カ月以上前、青いうちに刈ってすき込む。大豆、小豆は株間をしっかりとって蒔くのがポイント。大豆・小豆は麦類と交互に栽培すると連作可能。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』『自然菜園で育てる健康野菜』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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