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田舎暮らしの本 12月号

11月2日(火)
850円(税込)

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ハクサイ&トウガラシ/自然菜園で育てるキッチンガーデン【第19回】

掲載:2021年10月号

しっかり巻いたハクサイを夏野菜の株間で育てる

1玉で食べ応えがあり、冬には保存もできるハクサイは、収穫がひときわうれしい野菜です。玉をしっかり巻かせるには、初期に大きな葉を育てましょう。夏野菜の後地などを選ぶのがコツです。適期に種蒔きし、生育初期に草マルチや水やり、米ぬかの補いなどでしっかりお世話してください。トウガラシの株間の涼しい半日陰はハクサイの植え付け適地。トウガラシの赤い実は虫避けにも役立ちます。

日本では日清・日露戦争以降、本格的に普及したハクサイ。「松島純二号」は100年近い歴史を持つ固定種。

短い適期に種を蒔き、虫害を避けるには育苗で

 ハクサイはチンゲンサイなどを含むツケナ類とカブが交雑して生まれたといわれています。もとは非結球でしたが、次々に出した葉を巻くように育成されて半結球、さらには結球するハクサイがつくられました。肥えた畑を好みますが、養分過多で虫の被害を受けるため、夏野菜がよく育った畑などで育てましょう。難しい場合は、半結球の山東白菜などを選ぶと、ずっと楽に育てられます。

 冷涼な気候を好み、種蒔きから40〜45日後の結球時期の生育適温は15〜16度。家庭菜園では気温が上がっていく春よりも、夏から秋に種蒔きして秋冬に収穫するほうが育てやすいです。ただし早蒔きは気温が高い分、虫害を受けやすく、蒔き遅れるとうまく結球しません。トウガラシやナスの株間の涼しい半日陰に苗を植えるのはよい方法です。

 根の再生力が弱く、直蒔きすると直根が発達してしっかり育ちます。生育初期の虫害を避けるには育苗します。育苗では若苗を定植するのがコツです。

品種選びのアドバイス

早蒔きを避けられる早生から中生品種が育てやすい

 種蒔きから収穫までの日数は、早生が60~65日、中生が70~75日、晩生が80~90日ほどです。晩生ほど大きく育ちますが種蒔き時期が早く、虫害を受けやすくなります。育てやすいのは早生から中生種です。

愛知白菜

 明治の初めに導入された結球山東白菜から愛知県の風土に合わせて選抜された国産第1号の固定種。早生で育てやすい。

1.5~2kgほどの食べきりサイズで味もよい。

松島純二号白菜(冒頭の写真参照)

 種蒔きから65~70日で2kgほどの玉を収穫できる中早生で、そのまま畑に置くと3.5kgほどの大玉に育つ。柔らかく甘味があり生食にも向く。

無双白菜

 比較的畑を選ばず育てやすい早生種。夏蒔きのほか春蒔きにも向く。

2.5kgほどに育つF1品種。

ハクサイの主なコンパニオンプランツ

混植で暑さと虫を避けてハクサイがよく育つ

トウガラシ

効果

トウガラシの近くや後地でハクサイが育ちやすい。株間の半日陰が暑さを和らげる。トウガラシの赤い実が虫を避ける。

栽培のポイント

水を控えめにし、米ぬかを多めに補うと辛味が増す。

収穫のポイント

青いうちに穫ると収量が多く、料理や醤油漬けなど用途が広い。乾燥した完熟果は保存に向く。

辛味と風味は品種によるほか、育て方によっても変わってくる。

シュンギク

効果

虫避け。ハクサイが適度に日差しを和らげ、苦味の少ないシュンギクが育つ。

栽培のポイント

ハクサイより1週間から10日早く種蒔きする。種蒔き後はしっかり鎮圧し、水やりする。

収穫のポイント

株立ち型の品種は、わき芽が伸びて繰り返し収穫できる。株張り型のキクナは株ごと収穫する。

株立ち型の品種は、わき芽を2つ残してその上を刈り取る。

エダマメ

効果

根粒菌の働きで空中窒素を固定するとともに、菌根菌が根の養分吸収を助けるため、ハクサイがよく育つ。半日陰をつくり株間の気温を下げる。

栽培のポイント

開花から実が入るまでの期間、1週間雨がなければ葉の上からストチュウ水をたっぷり水やりする。

※酢・木酢液・焼酎を1:1:1で混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL)3杯分の原液を混ぜる。

収穫のポイント

サヤが7~8割太ったら収穫する。

収穫は根を残して刈り取る。

ナス

効果

後地はハクサイの好適地。株間は半日陰で虫にも見つかりにくく、ハクサイが育ちやすい。

栽培のポイント

開花期間は1週間雨がなければ葉の上からストチュウ水をたっぷり水やりする。風で揺れると実が傷むため、しっかりと支柱に誘引する。風上にトウモロコシやヒマワリを育ててもよい。

収穫のポイント

雨の後か、早朝に収穫するとみずみずしいナスが味わえる。

市販サイズ以下で早めに穫るのが株を長持ちさせるコツ。

ハクサイ&コンパニオンプランツの配置例

トウガラシやナスの株間、エダマメの刈り株の隣に定植

 トウガラシやエダマメ、ナスを育てた畝で、夏にエダマメを株ごと刈って収穫した後、エダマメの刈り株の隣にハクサイを定植する。ナス、トウガラシは秋まで収穫を続ける。

トウガラシやナスの葉の下を避け、外側に植え付けるのがコツ。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』『自然菜園で育てる健康野菜』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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